▼中国の古い史書「晋書」の王羲之伝は、書聖の筆遣いをこう讃(たた)える。「雲が飛び露が結ぶようにきれるかにみえてまた連なり、鳳(おおとり)が羽ばたき竜がわだかまるよう」。そして「眺めてはつきることがない」と(『王羲之』岩波現代文庫)。
中国史书《晋书》王羲之传中这样称赞书圣的笔法,“烟霏露结,状若断而还连;凤翥龙蟠,势如斜而反直”,因而“百看不厌”。(《王羲之》岩波现代文库)
▼見つかった模本は縦25.7センチ、横10.1センチ、24の文字が3行にわたって書かれている。千数百年も前に海を渡り、時を超えてきた麗筆のつらなりに、一つの小宇宙を思ってみる。
发现的摹本长25.7cm,宽10.1cm,3行24个字。千百年前漂洋过海,在历尽时光洗礼的精妙的字里行间,仿佛能感受到一个小宇宙的存在。
▼この模本が、長く小野道風(おののとうふう)の書と見られてきたというのも面白い。柳に飛びつく蛙(かえる)の逸話で知られる平安中期の書家である。22日から東京国立博物館で「書聖王羲之」展が始まる。墨と筆と漢字の文化圏。その歴史と豊饒(ほうじょう)に思いをめぐらせながら、足を運んでみるもよし。
有意思的是这幅摹本长期以来一直被认为是小野道风的书法。他是以扑柳之蛙的轶事而闻名于世的平安时代中期的书法家。22日起,东京国立博物馆将举行“书圣王羲之”展。同在使用墨、笔、汉字的文化圈,那悠久的历史和丰饶的风土不禁让人浮想联翩,值得一看。
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