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早ばやと、わびしげに暮れていたころに比べると、2月も半ば、日脚がずいぶん伸びてきた。冬至を折り返し点として逆算すれば、10月の終わりごろの日差しを、いま浴びていることになる▼
与一度太阳一转眼就奔西而去的时候相比, 2月也已经过半, 白昼明显地长了起来. 拿冬至作为转折点回头一算, 现在的日照时间, 正好与10月末的时候差不多(意译).
2月を「光の春」とも呼ぶそうだ。目や肌に、光の強まりが感じられる。とはいえ地表はまだ寒さの底である。光は乱舞して誘うのだが、裸体の木々は用心深い。雑木林のクヌギやエノキは、堅い冬芽をしっかりと閉じたままだ▼
据说2月又称为"光之春". 眼睛和皮肤, 都感觉得到光的强大力量. 虽说如此, 地表却仍然处于寒冷的低谷. 光与影交相辉映发出邀请, 落叶的树木依然谨小慎微. 杂树林里的橡树呀朴树呀, 冬日里孕育的树芽都紧紧锁闭着.
八ケ岳をのぞむ山梨県北杜市の「オオムラサキセンター」を、先日訪ねた。羽が鮮やかな紫に染まる、日本の国蝶(こくちょう)が育っている。観察用の雑木林には、朽ち葉が散り敷いていた。オオムラサキの越冬幼虫は、葉にもぐって、静かな眠りについている▼
日前在与八岳遥遥相望的山梨县北杜市, 参观了那里的"大紫蝶中心". 翅膀艳丽发紫的日本国蝶, 就是在那里哺育出来的. 用于观察的杂树林里面, 铺满了一地开始腐败的落叶. 大紫蝶的过冬幼虫, 就潜藏在落叶的下边, 享受着静悄悄的睡眠.
散り重なった葉の層の、真ん中あたりに居場所を定めるそうだ。風雪をしのぎつつ、地面の湿気も遠ざける知恵である。芽吹きのころに起き出してきて、若葉をはんで滋養をもらう。羽化して夏に舞う夢を、落ち葉の寝床で見ていることだろう▼
据说幼虫躺着的地方是在重重落叶的正中央的位置. 这样一来它们就不但能够度过严冬风雪, 而且也远离地面的湿气侵蚀. 树木萌芽季节, 它们也随之苏醒, 啃食嫩叶以获得滋养. 冬天它们躺在落叶铺就的床垫上, 必能梦见长出翅膀凌空飞舞的夏天吧.
「太陽暦の作者は雪国に親切だった」と新潟県育ちの仏文学者、堀口大学は言った。果てしなく思える2月が、短い日数で終わるから。そして「待ちに待たれた3月が来る」。思えば2月は不思議な月だ。「春」ながら冬がきわまる。だが寒さの底で、何かが兆している▼
从小在新泻县长大的法语学者崛口大学认为, "太阳历法的创始人应该是喜欢雪国风光的". 因为令人觉得漫长的2月却只有很少的天数就结束了. 随后"就迎来了望眼欲穿的3月". 越寻思越觉得2月是一个不可思议的月份. 明明是"春天"却是冬天最严寒的时候, 另一方面在严寒的低谷却又似乎有一些东西在萌芽.
列島への寒気の南下は、なお厳しい。日本海側は週明けまで雪の空という。されど、〈雪 イトド深シ/花 イヨヨ近シ〉柳宗悦(やなぎ・むねよし)。遠い兆しに心を澄ませば、春が半歩、近づく気もする。
寒流沿着日本列岛南下, 更添一层严峻. 据说在日本海一侧, 直到周一为止一直会有降雪. 好在是, "雪下得越深, 花开的日子越近"(柳宗悦). 只要静下心来想一想为时尚早的预兆, 就感觉到其实春天离咱们的脚步又更近了一些.