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古代ギリシャの哲学者タレスは天文学にもたけていた。ある夜、星の観測に熱中するあまり、井戸に気づかずに落ちてしまった。使用人が冷やかした。「あなたは天上のことは知ろうとするが、足元のことはお気づきにならない」
古希腊哲学家泰勒斯通晓天文学。有一天,他因为观测星象时过于沉迷,没有注意到脚下有井,跌了进去。仆人打趣,“您光顾着要了解天上的事,却不去注意脚下的东西”。
よく知られた逸話に、安倍自民党の大敗が重なる。首相になってからの安倍さんには、望遠鏡で遠くの空ばかり眺めていた印象が強い。いわく「美しい国」「憲法改正」「戦後レジーム(体制)からの脱却」……。大構えなテーマは、彼の思い描く夜空に、星座となってきらめいていたのだろう。
安倍自民党的大败,让我又想起了这则广为人知的趣事。印象中,登上首相宝座后的安倍先生一直在用望远镜眺望着遥远的天空。说什么“美丽的国度”“修宪”“摆脱战后体制”……。那些宏伟的蓝图,大约已变成了星星,一直在他构画的夜空中闪烁吧。
だが足元には疎かったようだ。暮らしを脅かす格差に無頓着だった。政治とカネの醜聞につまずき、年金問題という井戸に落ちた。それからが正念場だったはずだが、腹を据えて空を仰ぎ続けるでもなく、取り繕いに追われた。
可是他似乎忽略了脚下。对于威胁百姓生活的贫富差距显得漫不经心。结果被政治与金钱的丑闻绊了脚,又掉进了养老金问题之井。而在需要解决问题的紧要关头,疲于补救,也无法沉下心继续仰望天空了。(???)
「政治家は次の時代を考え、政治屋は次の選挙を考える」という。首相就任時には、安倍さんは政治家だったかもしれない。だが井戸に落ちてからは、動揺したのかすっかり政治屋になってしまった。脆(もろ)さに失望した人は、自民支持層にも少なくなかっただろう。
有这么一句话,“政治家考虑下一个时代的事,政客考虑下一届选举的事”。在刚就任首相时,安倍可能还算得上是政治家。可是,自从跌落深井后,或许开始动摇了,他成了不折不扣的政客。人们对于他的脆弱深感失望,其中包括不少自民党中的安倍拥戴者。
タレスは、万物は水から生まれ、水に還(かえ)ると、宇宙の原理を説いた。その水を庶民に、為政者を舟になぞらえたのは、中国の思想家の荀子だ。「水はすなわち舟を載せ、水はすなわち舟を覆す」
泰勒斯阐述宇宙原理时说,万物生于水,又归于水。而中国的思想家荀子则将水比作百姓,将为政者比作小舟。“水能载舟,亦能覆舟”
民衆は政権を支えもするが、不満ならひっくり返す。それが一票の力だろう。舟が覆ってなお、首相は泳ぎ続けるそうだ。民意の波は相当荒いのだけれど。
民众可以支持某个政权,一旦不满,则颠覆它。这就是一张选票的力量吧。小舟已被掀翻了,首相却表示依然要游下去,尽管下面是波涛汹涌.