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マラソンのアベベ選手が東京五輪で優勝したとき、放送局のアナウンサーが妙なコメントをした、と聞いたことがある。たしか、「子ども時代にはしかを克服した名選手」と讃(たた)えた、と記憶している。
马拉松选手ABEBE在东京奥运会上夺冠的时候,曾听广播局的播音员给过这样一段巧妙的点评。我至今仍记得播音员称他是〖在孩童时代战胜过麻疹的著名选手〗。
失笑を買ったのは、はしか(麻疹)は当時、子ども時代に誰でもかかる病気だったからだ。「命定め」とも言われ、子どもが育つ通過儀礼のように見られていた。年長者ほど症状が重いとされ、「早く済ませておけ」といった空気さえ周囲にあった。
令人发笑的是,麻疹在当时可谓是孩童时代人人皆知的病情。患上麻疹据说是〖命中注定〗、且被看作是扶养子女的途中必经的劫数。一般说来,似乎越年龄越大其感染症状越严重。因此,在我们周围的不免听到〖早点感染也好〗这样的声音。
子 どもの病気と思われてきたはしかが、近年は10~20代の若者に増えているそうだ。今季は首都圏を中心に流行が広まり、上智大学では全学を1週間休講にし た。他にも、感染が心配される一部学生を出校停止にした大学がある。国立感染症研究所によれば、01年の大流行のレベルに達しつつある。
被大众认作是孩童时代才会得的麻诊,近年来,其发病率在10~20的年青人间逐渐增多起来。冬季,以东京首都圈为中心向外扩展传播,为此,上智大学决定全校停课1周。此外,有些大学里的部分学生因担心被感染而中断前往学校上课。据国立感染症研究所发来的情报表明:此次麻诊感染率已步步直逼2001年的流行大趋势水平。
咳(せき)や高熱のあと、赤い発疹が広がるため、古い文献では「赤斑瘡(あかもがさ)」と呼ばれた。「はしかみたいなもの」と、不安を打ち消す例えに使われる割に手ごわく、50年代には約9000人が命を落とした年もあった。
患上麻疹,起初是咳嗽和高烧,接下来就会出现红色的发疹症状,古代文书上记载该病被称作(红斑疮)。而在50年代,要是患上类似于麻疹这样的病,人们为打消内心的不安想过各种各样的方法,也与病魔进行过艰苦的斗争,可惜最后仍有约9000人葬送了自己的性命。
東京五輪の2年後にワクチンが導入されると患者は減っていった。今ならアベベへの“称賛”も、素直に受け入れられるかもしれない。そのかわり幼少期に感染せず、免疫の不十分なまま成長する人が増えた。目下の流行には、そうした背景があるようだ。
在东京第五届运动会结束后2年,由于导入了疫苗接种,从而大大降低了患麻疹的人数。现在,我们或许能够老老实实地接受对ABEBE的“称赞”了。然而,取而代之的是那些在幼儿时代未曾受感染、免疫力不强的环境下成长起来的人群正日益增多。似乎眼下的流行就隐藏着这样一个背景吧。
日本は感染者がまだ多く、米国から「はしかの輸出国」と非難されている。汚名返上のためにも健康のためにも、幼児期のワクチンの接種が、何より大切である。
在日本,依然存在着大范围的麻疹感染者,因此,被美国嘲讽是{麻疹的出口国}。不论是为了恢复名誉还是为了国民的健康,幼儿时代的疫苗接种绝对是至关重要的。