论坛讨论地址: http://www.kantsuu.com/bbs/dispbbs.asp?boardID=121&ID=65536&page=1 子どもの視点から戦争を描き続けた英国の児童文学者ロバート・ウェストールに、「弟の戦争」(徳間書店)という作品がある。主人公は15歳の少年トム。両親と三つ年下の弟アンディと暮らしていた。
1990年夏、そのアンディが突然、とりつかれたように意味不明の言語をしゃべり始めた。アラビア語だった。湾岸危機で従軍したイラクの少年兵の意識が、弟に乗り移ったのである。
弟は、ひとの苦しみに極めて敏感な性格だった。それまでも、写真で見た飢餓に苦しむエチオピアの子どもに、とりつかれるように感情を移入したことがあった。トムはアンディを助けようとするが、弟の意識はイラクの少年兵との間を行ったり来たりする。
やがて米軍の猛攻が始まり、少年兵の目を通して戦場のむごさが伝えられる。それは、弟の体が目に見えない力ではねとばされるまで続いた。そのとき少年兵は死に、弟は意識を取り戻した。
戦争を見る目は、どうしても一方に偏りがちだ。地上の戦死者の姿が見えない映像では、本当の戦場は分からない。物語は、超人的な共感能力というフィクションを使って戦争を反対側からも描き、みごとである。 观看战争的眼睛,总是有些偏向某一边。凭着看不到地上阵亡者的样子的映象,是了解不了真正的战场的。故事使用了超人的感应能力这种虚构,从反面也对战争进行了描述,非常精彩。
ウェストールは、執筆後間もない93年に死去した。その後起こったイラク戦争では、子どもを含む民間人多数が巻き添えになった。イスラエルとレバノン過激派との紛争でも、同じ悲劇が繰り返されている。日本の私たちは、戦争の実相をどれだけ知っているだろうか。他者への共感能力の大切さを訴えた作品の重さを、改めて思った。 韦斯特尔在执笔该作品后没多久,于93年逝世。在之后的伊拉克战争中,包括孩子,很多国民被卷入进去。以色列和黎巴嫩过激派的纷乱中,也重复了同样的悲剧。而我们日本人,对于战争的真相又知道多少呢?笔者再次想到描述对他人的感应能力的珍贵的这类作品的分量之重。 |
2006年08月23日の「天声人語」
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