|
论坛讨论地址: http://www.kantsuu.com/bbs/dispbbs.asp?boardID=121&ID=65198&page=1 ふたりの男が岩壁をよじ登っていた。「事件はこの時起ったのだ」。井上靖の小説「氷壁」で、ザイルが切れてしまう場面だ。「魚津は、突然小坂の体が急にずるずると岩の斜面を下降するのを見た。次の瞬間、魚津の耳は、小坂の口から出た短い烈しい叫び声を聞いた……小坂は落ちたのだ」 この「氷壁」の題材になったのが、1956年に朝日新聞に小説の連載が始まる前年の正月に前穂高岳で起きた「ナイロンザイル事件」だった。画期的な新製品といわれたナイロン製ザイルを使いながら、それが切れ、大学生が転落死した。 この学生の兄で、ナイロンザイルの欠陥を粘り強く追及した石岡繁雄さんが、88歳で亡くなった。ザイルの安全性を強調するメーカーや専門家の大学教授に対して、独自の強度実験などを重ねて、ナイロンザイルが岩角では切れやすいことを証明した。それがきっかけになって、事故から約20年後に、ようやく登山用ザイルを規制する国の安全基準が定められた。 石岡さんは昨年、自身の半生記『ザイルに導かれて』を出版した。弟の遭難を伝える当時の新聞記事や、新聞への寄稿、電気工学を学んで鈴鹿高専の教授を務めた石岡さんの論文などが収められている。 とかく大勢につきがちな人間の弱さに触れた一文がある。「人間社会は人間一人一人が、その弱さを断ち切り、良心に従って、勇気をもって発言しない限り、決して良くはならない」 氷壁での無念の死を胸に、自らの手で企業や権威という「壁」を乗り越えた人の深い感慨なのだろう。 这大概是,心中深记着在冰崖中死亡遗憾,而亲手跨越企业和权威的“壁垒”之人的深深的感慨吧。 |
2006年08月17日の「天声人語」
文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语