论坛讨论地址: http://www.kantsuu.com/bbs/dispbbs.asp?boardID=121&ID=64888&page=1 街角で、店の夏休みを告げる張り紙を見かけた。地下鉄がすいている。旅に出る人がふくらむ時季になった。電車や車で旅をすると、意外なほど多くの川を渡ることに気づく。川の名は地名ともつながっている。旅するとは地名と出会うことでもある。 全国の地名や、それと縁の深い名字の研究に取り組んだ丹羽基二さんが86歳で亡くなった。子供のころから名字に関心があり、国学院大では民俗学者の柳田国男に学んだ。「苗字(みょうじ)を課題にしたい」と告げると、柳田は「憐(あわ)れむように見つめ」、「それでは食えないぞ」と言ったと丹羽さんは書いている(『日本人の苗字』光文社)。 名字の研究は、すぐに暮らしに役立つわけではないから、公的な後ろ盾は期待できない。丹羽さんは高校教師をしながら研究を続け、約29万件の名字を約半世紀かけて集めた「日本苗字大辞典」などを編んだ。 81年、東京の植物学の研究者が、私費を投じて10年がかりで地名12万余を集めて分類し「日本地名索引」を刊行した。副産物もあり、例えば地名に使われている漢字は、山が一番多くて1万を超え、次は田で約9千、以下、川、大、野の順と分かった。
当時、丹羽さんは発刊をこう評価した。「小字(こあざ)まで入れると日本の地名は推定1千万にもなる……しかし実際にこのような裏づけのあるデータが得られたのは、初めてのこと。貴重な仕事です」。市井の人の努力への共感もあったのだろう。 人生の旅で出会った地名を愛着をもって記し、それが、時の流れでいたずらに消されてゆくのを惜しんだ。 |
2006年08月11日の「天声人語」
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