论坛讨论地址: http://www.kantsuu.com/bbs/dispbbs.asp?boardID=121&ID=51646&page=1 行ったことはないが、いつかは訪ねてみたい。信越国境にある秋山郷も、そんな旅ごころを誘う場所の一つだろう。平家の落人伝説の残るその地が、豪雪で孤立している。
虽不曾去过,但总想去看一看。位于信越地界内的秋山乡,算得上是如此勾人游兴的去处之一吧。如今,那个有着平家时代败军隐居部落传说的地方,正孤零零地躺在茫茫大雪之中。
「秋山には古(いにしへ)の風俗おのづから残れりと聞(きき)しゆゑ一度は尋(たづね)ばやとおもひ居りしに……米味噌醤油鰹節茶蝋燭(らふそく)までをも用意して……」。新潟の文人、鈴木牧之が秋山郷を訪ねたのは、江戸後期のことだった。この『北越雪譜』(岩波文庫)には、心引かれた地へ旅立つ思いや現地での見聞が記されている。
“闻得秋山古风尤存而欲一往……米、酱、酱油、木鱼、茶、蜡烛具已备齐……” 江户时代后期,新泻的文人铃木牧之造访了秋山乡。在写有上述文字的《北越雪谱》(岩波文库)中,记录着他欲去心仪之地旅游时的心情,以及抵达后在当地的见闻。
牧之が秋山郷への旅で著した別の一冊『秋山記行』(東洋文庫)には、当時の集落を描いた絵が載っている。見ているうちに、先日見た一枚の写真が絵に重なってきた。それは、雪で孤立状態になった秋山郷を上空から撮影したものだった。
在牧之因秋山旅行而写下的另一本书——《秋山纪行》(东洋文库)之中,刊有一页描绘当时村落面貌的插图。看着这幅图画,就不由得在脑海中将它与前些天所看到的一张照片重叠了起来。那是一张从空中拍摄的茫茫大雪中孤零零的秋山乡的照片。
絵の方では、かやぶきの家がわずかに点在している。写真の方の家は大きく数も多い。しかし厚い雪がその家々の屋根を覆っているので、昔の秋山郷のたたずまいがよみがえったかのように見えた。
插图上,零星散布着几栋茅草顶的房屋。照片上的房屋既大又多。但由于家家户户的屋顶上都蒙着厚厚的积雪,看起来似乎又回到了从前的秋山乡的模样。
やはり江戸の後期に書かれた『信濃奇勝録』が、当時の人々の様子を伝えている。争ったり怒ったりすることなく、質朴で「太古の人の如し まことに世外の一世界なり」
同样是写于江户后期的《信浓奇胜录》,将当时人们的生活习俗展现在了我们的眼前。不争、不怒、质朴淳厚,“民若太古之民,俨然世外一世矣”
冬場には道が閉ざされてきた秋山郷は、隔絶の地であればこそ、うつろわない暮らしや文化を伝えてきた。しかし今では、人々の暮らしは周囲と行き来することで成り立っている。地上の道は閉ざされたが、牧之の時代には思い及ばなかった空の道も使って、一世界と世界とをつなぎ続けたい。
秋山乡正因为冬天道路不通,与世隔绝,才得以不走样地将以前的生活样态和文化保留至今。然而,如今人们的生活是建立在与周边的往来交流之上的。地面上的道路虽已隔阻,哪怕利用在牧之的时代里无法想象的空中道路,也要将这“一世”与外部世界相连接。
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2006年01月12日の「天声人語」
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