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偶就是“曾被认定存在的大规模杀伤性武器”。还没有被发现。其实,在美国已经得出了偶不存在的结论。这可是动用了上千名情报局人员,花了近千亿日元,旷日持久地调查之后的最终报告。
偶是不会忘记曾经是那么热血沸腾地谈论过偶的存在的人们的。“伊拉克能随时给恐怖组织以及恐怖分子个人提供生化武器”。这是“存在说”的代表人物——大总统的值得纪念的发言。
英国首相也强有力地发表了意见。“大规模杀伤性武器的发现,是毫无疑问的”。可中途又改口说什么“等美国调查团的最终报告出来再说”,在偶看来,是变软蛋了。
然而,要是这两位不存在的话,偶的存在也不会如此受世人注目。反过来看,由于只有偶的存在才能成为先发攻击的依据,因此那两位的存在会不会有些问题呢。话说到这里,到真有点担心。
偶所始料未及的是日本内阁官房长官的发言。“我觉得那种东西没有,也实在是无所谓的事情”。那种东西好像指偶。该国的首相无疑曾经是大总统的“存在说同伙”。现在一味地装傻,什么都“无所谓”了,那偶该怎么办呢?
这么说来,偶是被人创作出来的存在吗?既如此,偶也曾一时在历史的舞台上风光过了,还是爽爽快快的退场吧。奉劝一句持“存在说”的人们,是否也考虑一下自己的进退呢?
——译自《天声人语》041008
041008《天声人語》
吾輩(わがはい)は「あるとされていた大量破壊兵器」である。まだ見つかっていない。というより、吾輩は居なかったとの結論が米国で出てしまった。情報部員千人と、千億円近い金や長い月日をかけた最終報告である。
吾輩は、かつて吾輩の存在を、あれほど熱っぽく語ってくれた人々のことを、決して忘れない。「イラクは生物・化学兵器をテロ組織やテロリスト個人にいつでも供与することができる」。「存在説」の代表格だった大統領の記念すべき発言だ。
英国の首相も力強く語ってくれた。「大量破壊兵器が見つかることについて、疑いはまったくない」。途中からは「米調査団の最終報告を待ってほしい」などと、吾輩から見れば弱腰な姿勢に変わった。
しかし、このふたりが存在しなければ、吾輩の存在も、これほど世界からは注目されなかった。逆に見れば、吾輩の存在こそが先制攻撃の根拠になっていたのだから、両人の存在の方も揺らがないか。ひとごとながら心配だ。
吾輩が思わず噴き出してしまったのは、日本の内閣官房長官の発言だ。「そういうものがないということは非常に結構ではないかと思う」。そういうものとは、吾輩のことらしい。確か、この国の首相は、大統領の「存在説仲間」だったはずだ。なかなか「結構」な、おとぼけぶりのようだが、吾輩の立場はどうなるのだ。
結局のところ、吾輩は、創作された存在だったのか。となれば、一時にせよ脚光を浴びた歴史の舞台からは、潔く降りるとしよう。「存在説」の人たちにも、一考を勧めたい。