▼高知県鏡村(現高知市)の小3男児が書いた「きり」という短い詩がある。『えんぴつでおしゃべり』(あゆみ出版)で見つけた。〈朝、きりがかかっていました。山が、おふろに入っているようでした〉。乳白色に煙る里山が目に浮かぶ。
▼在《用铅笔闲谈》(ARUMI出版)一书中看到高知县镜村(现高知市)的小学三年级孩子写的一首题为《雾》的短诗。“清晨,大雾缭绕。山仿佛钻进了被窝”。感觉雾气朦胧的山林就浮现在我的眼前。
▼この童心に習えば、数日来の西日本は「山が、おふろの中でシャワーを浴びている」とでもなろうか。台風6号は7月としては横綱級で、高知県の一部では降り始めからの雨量が千ミリを超えた。しかも横殴りだ。
▼如果学习这份童心,那么数日来的西日本不是可以说“山在浴室里洗澡”吗?台风6号在7月份算是横纲级的,高知县一部分的降雨从开始,雨量超过一千厘米。而且是斜潲雨。
▼台風の予想進路に驚く。北に直進してきたものが、列島に達したところで東に向かうという。この「右折」、台風に円弧を描かせる太平洋高気圧が衰えたせいらしい。交差点の車よろしくブレーキがかかり、雨風の影響もそれだけ長く続く。
▼台风的预测前进路线让人大吃一惊。渐渐向北直线前进的台风刚达到列岛就向东前进。这个“右转”,似乎是因为让台风呈圆弧状的太平洋高气压衰弱的缘故。十字路口的汽车狠狠地踩了刹车,风雨交加的影响也因此延长。
▼台風の長っ尻にいいことはないが、ともかく猛暑は和らいだ。大地に巣くう熱が流されたか、東京の最高気温は冷房の節電目標である28度台に下がった。ひと息ついた人もおられよう。
▼台风赖着不走虽然不是好事,但总之缓解了酷暑。盘踞在大地上的热量被冲走了吗?东京的最高气温降到了空调节电目标28度以下。也有人松了口气吧。
▼気象随筆の倉嶋厚さんによると、日本には「雨乞いの山」が20以上もあるそうだ。雨乞岳、雨乞山、雨呼山(あまよばりやま)。先人はそれほど、日照りを恐れた。もちろん、恵みの雨とはほどほどの降りを言う。田畑が冠水し、家を流されては元も子もない
▼擅长写气象随笔的仓鸠厚说,在日本有20多座“乞雨山”。比如:雨乞岳、雨乞山和雨呼山等。看来我们的祖先还真是害怕炎热啊。当然,所谓的及时雨,它的雨量是不会很大的。如果雨水漫过了田地,冲走了家园,那我们就一无所有了。
▼照ればお湿りを乞い、降れば陽(ひ)を求めるのが人の常だが、ほどほどを知らない自然は時に無慈悲になる。この夏、せめて台風ぐらい被災地を外してくれないか。北上を思いとどまったような6号の動きに、淡い望みを託す。
▼太热了求雨,雨水多了求阳光,这是人之常情,但是不知道适可而止的大自然有时却不近人情。希望在这个夏天,像台风这样的自然灾害就不要光顾地震灾区了。我们把这个小小的愿望,寄托于不愿北上的6号台风吧。
中日对照