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ベートーベンが交響曲第5番「運命」を仕上げたのは1808年の初めとされる。第3番「英雄」の完成前に想を得て、第4番を書いても放たず、5年の推敲(すいこう)を重ねた一発必中(いっぱつひっちゅう)の作品だった(『名曲解説全集』音楽之友社)
一般认为,贝多芬完成第五交响曲《命运》是在1808年初。该曲是在第三交响曲《英雄》写成之前获得灵感,即使在创作第四交响曲期间也没有停止过构思的一部历经五年反复推敲后一发必中的作品。(『名曲解説全集』音楽之友社)
〈ダダダダーン〉は世界で最も知られた旋律だろう。指揮者の金聖響さんは近著『ベートーヴェンの交響曲』(講談社現代新書)で「冒頭のわずか四つの音が、次々といろいろな楽器に受け継がれ……一点の隙(すき)もない巨大な建造物(けんぞうぶつ)になります」と解説する
“镪镪镪镪”想必是世界上最著名的旋律吧。指挥家金聖響在近作《贝多芬交响曲》(講談社現代新書)中对此做了讲解:“开头仅四个音符接二连三地为各种各样的乐器所承接……形成了没有任何间隙的宏伟乐章”。
冒頭の4音は、すべての弦楽器(げんがっき)とクラリネットで響かせる。そろえるのが難しいそうだ。ベルリンフィルのカラヤンは、指揮棒を一、二、三と振って〈ダダダダーン〉。バーンスタインがウィーンフィルを振った時は、一、二で〈ダダダダーン〉だったという
开头四个音符,由全部弦乐器和单簧管合奏。据说,要使这些乐器步调一致,很是困难。柏林爱乐乐团的卡拉扬,是将指挥棒一、二、三地挥了三下后,才奏出“镪镪镪镪”的;伯恩斯坦在指挥维也纳爱乐乐团时,是一、二地挥了两下指挥棒,才开始“镪镪镪镪”的。
この旋律を「運命が戸をたたく音」とする説には異論も多い。確かなのは、人の一生は2世紀前の名曲のように「どの一つの音も完璧(かんぺき)に計算された構造物」(金さん)にはならないことだ
对将该旋律视为“命运的扣门”之说法,不少人提出异议。的确,人的一生不会成为象两个世纪前这首名曲那样的“每个音符都计算得很完美的乐章”(金聖響语)。
冒頭でダーンと決まるのは故郷と親兄弟(おやきょうだい)ぐらいで、あとは才覚(さいかく)と努力でどうにでも。ところが、この「公平の原則」が怪しくなっている。富める者がさらに富み、階層や格差が再生産される社会はいずれ行き詰まる
大约只有故乡及父母兄弟姐妹能够决定我们人生起点的第一个“镪”,以后则要凭自己的才智和努力去决定命运。不料,这一“公平的原则”变得不可靠了。富者更富,社会阶层和贫富分化再生的社会终归是没有出路的。
年末ジャンボの吉凶(きっきょう)はすでに決し、次の幸せを願う人の波が神社仏閣(ぶっかく)を埋めている。さて、08年はあなたの戸をどんな音でたたくだろう。運命に任せる人生では不公平にも勝てない。戸は内側から、自分でダダーンと開けたい。
年终大彩是吉是凶都已成定局,为祈祷下一个幸福,人流又挤满神社佛寺。那么,2008年是什么声音敲响你家大门呢?若是任凭命运摆布的人生,那是无法战胜不公平的。希望你自己从里边“镪镪”地把大门打开。
注:"再生産"有一个意思是:ブルデュー(皮埃尔·布迪厄)の社会理論で、教育や文化などを通じて職業・階級・社会的地位などが、次世代に引き継がれること。