论坛讨论地址: http://www.kantsuu.com/bbs/dispbbs.asp?boardID=121&ID=87336&page=1 白く、そしてあかく咲き始めた梅の向こうに、青空が広がっている。一筋の飛行機雲が流れてゆく。東京都心での開花は平年より早い。寒気の中で、いつもながらの凜(りん)としたたたずまいを見せている。梅花开始绽放出白色、红色来,与它相对应的是一望无际的蔚蓝天空。一道飞机拉着的白烟向远处散去。东京都心的花开要比往年早些。在寒冷的气候当中,呈现着一如既往的冷冽景象。 作家の藤沢周平さんが亡くなって、今日で10年になる。出身地の山形県鶴岡市では先日、「寒梅忌」が開かれた。没したこの時季と、端正で香り高い梅の花に、人柄や作風を重ねての命名という。 作家藤泽 清楚(せいそ)な梅の姿には、人を昔の時代にいざなうような風情がある。時代小説に大きな足跡を残した作家をしのぶにふさわしい名前と言えるだろう。 清丽的梅花,有一种风致将人诱回过去的时代。可以说命名跟纪念写下许多时代小说的作家是很相符的吧。 多くの読者を江戸の時代へといざない続けた藤沢さんは時々、なぜ時代小説を書くのかと問われたという。「時代小説の可能性」の中では、こう述べている。「時代や状況を超えて、人間が人間であるかぎり不変なものが存在する。この不変なものを、時代小説で慣用的にいう人情という言葉で呼んでもいい」(『藤沢周平全集』文芸春秋)。 藤泽先生一直诱使很多读者回到江户时代,据说他常常被问到为什么要写时代小说。在“时代小说的可能性”当中,他是这样描述的:“超越时代、高于事实,人类只要还是人类,有一种东西永远不变。这个永远不变的东西用时代小说惯用的语言来说就是‘人情’”。 不変なもの・人情を見つめ、それを澄明な文章世界の中に描いた。「たそがれ清兵衛」をはじめ、主人公の多くは、時代の主流ではなく傍流の人々だった。それが様々な困難に直面し、悩み、そしてついに足を踏み出す。その姿は時を超えて、人生の哀歓と響き合う。 他抓住不变的东西人情,并把它描写在清澈的文章当中。包括《黄昏的清兵卫》在内,许多主人公都不是时代主流人物而是非主流人物。他们面对各种困难,被困难所困扰,最终走出困难。他们的形象超越了时代,是一曲人生的哀歌。 藤沢さんは死の3年前、東京都文化賞を受賞した。「40年も東京に住んでいながら、顔はまだ山形に向いていて」と、あいさつしている。傍流への思いと傾きは、東京という現代の「主流」に対しても貫かれていたのかも知れない。 藤泽先生在逝世的3年前获得东京都文化奖。他致词说:“我虽然在东京居住了40年,但我的脸仍然朝向山形县”。他对非主流的意识和倾向,也许也贯穿到了对东京这个现代的“主流”吧。
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2007年01月26日の「天声人語」
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