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2004年8月21日の「天声人語」

作者:mutoulh  来源:贯通论坛   更新:2004-9-1 6:09:00  点击:  切换到繁體中文

 

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「何か感想を書かねばならぬ約束で、原稿紙はひろげたものゝ、毎日、オリンピックのテレビばかり見てゐて、何もしないのである」。こう書き始めたのは、小林秀雄である。

小林秀雄在他的文章开头写到“因为和人有一定要写写感想的约定,铺开了稿纸,可是每天只看电视,什么都没做。”

 「オリンピックのテレビ」は、40年前の東京五輪の直後に本紙PR版に載った。こんなに熱心にテレビを見たのは初めてで、自分でも意外だったと述べ、その訳を考える。「たかゞ小さな硝子板に映し出されたカメラによる模写である。だが、この抽象的な映像は生きてゐる。その自立した抽象性が、私を、静かな感銘に誘ひ込む」

40年前东京奥运会后的PR版上刊登了《奥林匹克的电视》。文中写到,他第一次这么对看电视这么热衷,连自己都感到意外。想想原因,“仅仅是在一个小玻璃板上显现出来的摄像机录下来的录像而已。但是,这抽象的画面是有生命的,这独立的抽象性让我莫名的感动。”

 懐かしい、80メートルハードルの依田郁子選手が出てくる。「スタート・ラインで釘を打ってゐる。両手をつけて、鉢巻をしめた顔を上げる。サロメチールを塗る。トンボ返りをやる」。その肉体の動きによって「私の眼に、何も彼も、さらけ出してゐる」。その表情の簡明、正確、充実には、抗し難い魅力がある、と記した。

80米栏运动员依田郁子的出现真的是令人怀念。两手扶地,头上扎着束发带,抬着头。涂镇痛剂,翻跟头。通过这些肢体运动“所有的一切,呈现在我的眼前”。简明,正确,充实的表情有着让人难以抗拒的魅力。

 依田選手を育てた「暁の超特急」の吉岡隆徳コーチは、大会前の手記に、こう書いた。「オリンピックに出る選手なら、誰でも自分との闘いに心を傷つけているものだ。オリンピックとはそんな人間と人間との勝負なのだ」

培育依田的教练,有着“清晨的特快”之称的吉冈隆德先生,在大会前的笔记中这样写到“参加奥运会的选手们,都由于和自己的斗争而伤心。奥林匹克就是这样的人类和人类的一决胜负的较量”

 これを受けて小林は、近代文学の世界は「自分との闘ひで心を傷つけて来た人間達」の告白で充満していると述べる。ただし、文学の世界には、勝負がない、と。

接受了这些思想的小林说:“近代文学世界中充满了‘心灵上留下了与自己抗争的伤痕的人们’的告白。只是在文学的世界里却没有胜负之分啊!

 「たかゞ硝子板に映る模写」には、勝ち負けや肉体の動きだけでなく、それぞれの自分との闘いも表れる。連日、スイッチを切りがたい訳は、その辺にもありそうだ。

对于“无非是玻璃映出的镜像”,不仅仅是胜负的争夺和肢体的运动,也表现出了各种各样的自我斗争。或许这就是连日来不忍关闭电视的原因吧!


 

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