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アテネ五輪の聖火は、開会式へ運ばれる前にアクロポリスの丘に1泊した。オリンピアで太陽から採火され、五大陸を巡った炎が、2千数百年前に建てられたパルテノン神殿の足元にともる。古代からの大きな時の輪が、そこで静かに閉じるかのように思われた。
雅典奥运会的圣火,传递到开幕式之前停留在卫城的山坡上。在奥林匹亚取得的圣火,这传遍了五大洲的火焰,一直闪烁在两千数百年年前建成的帕尔特嫩神殿的脚下。让人以为从古代开始的时间之轮似乎在这里静止了。
以前、この丘に登った時、野良犬を何匹か見た。パルテノン神殿へ続く道の植え込みには、大型の、ライオンのような毛色の老犬が、口からあぶくを出して伏せていた。場所柄か、老犬はディオゲネスを連想させた。
以前,登上这座山丘的时候,总是能看见几只野狗。通往帕尔特嫩神殿的道旁的庭院里,几只大型的毛色像狮子一样大狗嘴里吐着泡泡趴在地上。或许是因为在这样的地方,大狗让人们联想到ディオゲネス。
古代のキュニコス(犬儒)派と呼ばれる哲人の一人だ。学派名は、行状が、犬のごときもの(キュニコス)だったから、あるいは、派の開祖が講義を始めたのがキュノサルゲス(白い犬)という体育場だったからなどとされている(『ギリシアの詩と哲学』平凡社)
古代有一位被称为犬儒派的哲人。学派名的由来,或者是因为形状像狗,或者是因为学派的创始人第一次授课是在一个叫做白够的体育场而得名的吧!
いわば無一物無所有の生活を理想とし、酒だるに住んだというディオゲネスには逸話が多い。ある時、アレクサンドロス大王が彼を訪ねた。大王が「所望するものは」と尋ねると、ひなたぼっこしていた哲人は答えた。「何もいらない! 日陰にならないようにしてくれ」。「余がもしアレクサンドロスでなかったら、ディオゲネスであることを望んだであろう」と大王に言わせたという。
据说有很多关于把一无所有的生活作为理想,住在酒罐子里的ディオゲネス的轶事。有的时候アレクサンドロス大王会去拜访他。大王问他希望得到什么的时候,沐浴着阳光的ディオゲネス回答到:“什么都不要,只要不让我呆在没有太阳的地方就好了。”“如果我不是アレクサンドロス,那么就让我做ディオゲネス吧!”
アテネでは、五輪を前に野良犬が捕獲されたと聞く。老犬ディオゲネスは、どうしているだろう。「何もいらない! この騒ぎだけは早く終わりにしてくれ」とほえているか。
听说,在雅典奥运会之前有野狗被捕获了。大狗ディオゲネス怎样了呢?大声叫着:“什么都不要,只要这喧嚣尽快的结束吧!“
五輪に「逸話競技」があったなら、犬の哲人は、メダル確実かも知れない。
如果在奥运会上有“轶事竞赛”的话,狗哲人或许会夺得奖牌呢!