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2005年01月17日の「天声人語」

作者:mutoulh  来源:贯通论坛   更新:2005-2-8 8:47:00  点击:  切换到繁體中文

 

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コンクリートの分厚い壁の前に立つ。所々に、平べったい小さなくぼみがある。その奥の方に黒いものが見える。焼かれて炭化した木材のようだ。壁は、あの震災の日には、神戸市長田区の路地に立っていた。

站在厚厚的混凝土墙后面。平坦处零零落落的有些小水洼。水洼里面可以看到黑黑的东西。好像是燃烧了炭化了的木材。这是震灾那天的神户市长田区的小胡同的墙壁。

 地震後の火災で周りが焼け落ちる中、壁が残った。昭和の初めに、市場の防火壁としてつくられ、第二次大戦の空襲にも耐えて立ち続けた。保存運動が起こり、5年前、壁は海を渡った。震災の証人として壁を受け入れたのは、同じ震災を体験した淡路島の東岸にある津名町だった。

在地震后的火灾中周围被烧塌了,只留下这面墙壁。这是昭和初期为了作为市场的防火墙而建的,甚至第二次世界大战的空袭中也听过了,一直矗立在那里。5年前的保存运动中,这面墙壁被运送到海外。同样经历了震灾的淡路岛东岸的津名町作为震灾的证人接手了这面墙壁。

 一昨日の夜、高さ7メートル、長さ13メートルほどの壁のそばで、小さなコンサートがあり、組曲「神戸の壁」が演奏された。神戸で被災者やボランティアが壁の周辺に植えていたコスモスの花を歌った曲の、詞の一節が耳に残った。

大前天晚上,在这面高7米,长13米的墙壁旁边,召开了一场小的音乐会,演奏了组曲“神户的墙壁”。歌唱在神户的受灾者和志愿者在墙壁的周围种植的波斯菊的一段词曲仍在耳边缭绕。

 「友は花となり風に揺れていた」。手を振るようにして、あるいは体を揺らすようにして風に揺れるコスモスに、失われた人の面影を重ねながら、自らに命あることを思う。そして、同じく命を宿すものとはいえ、一本の細いコスモスを人になぞらえる心の痛切さが、胸に迫ってきた。

“朋友像花朵一样在风中摇曳”。像是摆手或者扭着身体一样在风中摇曳的波斯菊,和失去的人的身影重叠在一起,想着自己还活着。而且,虽不能说是寄托着相同的生命,但是把一株细细的波斯菊比喻成人的痛切的心情是通撤心扉的。

 昨日、島の西岸へ行った。大震災で地表にくっきりと現れた野島断層が「北淡町震災記念公園」に保存されている。断層の一部を掘り下げて、透明の強化ガラスを敷いた一角がある。そこに乗ると、下に、層のずれた境目が見える。

昨天,我去了岛的西岸。大地震中在地表清晰地出现的野岛断层被保存在“北淡町震灾纪念公园”。挖掘一部分断层,会看到铺着透明的强化玻璃的一角。就势而下,可以看到地层间隙的边界。

 それは、静まり返っていた。しかし10年前の今日は、たけだけしかった。破壊に至るまでの長く不気味な沈黙が、足のすぐ下に横たわっているかのようだった。
  平静地返回来了。但是十年前的今天却是凶猛可怕的。能够破坏的冗长的令人可怕的沉默好像就横亘在脚下。


 


 

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