原文の日本語が分かりにくいかもしれませんが、この文章を訳す時に一番難しいのは修飾語と被修飾語の問題です。
誰の訳が正しいかどうかは別として、取りあえず、修飾語と被修飾語について勉強しましょう。
http://plaza.rakuten.co.jp/sirasu3/diary/200503230000
文章が読みにくくなる原因の一つに修飾語と被修飾語の関係がはっきりしないことがある。 例1 やっかいな生徒の指導修正 一般の生徒と違って、厄介な生徒の指導 または、生徒指導は厄介なものなど。コメント 例1では、やっかいなのが「生徒」か「指導」かまぎらわしい。 例2 科学的な眼球運動の実験調査報告書修正 科学的な、眼球運動の実験調査報告書コメント 「科学的な」が、「実験調査報告書」に掛かることを、句点「、」を入れることではっきりさせる。 例3 江戸川に近い地域の多くの豪農らから金や米などを奪い取り婦女を誘拐した。修正 江戸川近辺の豪農らから金や米などを奪い取り婦女を誘拐した。(同上)コメント 例3「の」の連続で文意が通じにくい。「に近い」を「近辺」と直し、「多く」と「の」を削除して解りやすくした。 例4 つぎの表現は異なる意味に解釈でき、解り難い。(以下、木下是雄『理科系の作文技術』) 「黒い目のきれいな女の子」 (東山魁偉) 「黒い」が、目に掛かるのか、女の子に掛かるのか分からない。このように修飾語が多数ある場合には、つぎの原則に従うべきだ。 (1)修飾語は被修飾語の直前におく。 (2)長い修飾語を前に出す。 (3)必要に応じて句を読点〔、〕で区切る。 そこで、原則(1)によれば、「黒い」は、「目」にかかるものと解釈される。もし著者の意図が「子」を修飾したいのだとすれば、「黒い」と「子」を例文のように離すべきではなく、「目のきれいな黒い女の子」とすべきだろう。 この書き方は、原則(2)にも従っている(ただし、「黒い女の子」なのか「黒い女」なのかは、依然としてわからない)。あるいは、原則(3)に従って、「黒い、目のきれいな女の子」とすべきである(この書き方でも、「黒い女の子」なのか「目のきれいな女」なのかはわからない)。 なお、原則(3)は、しばしば非常に重要である。例えば、(A)「例文のように、離すべきではない」と、(B)「例文のように離すべきではない」とは意味が違う。念を入れるなら、(B)は「例文のように離すべきでは、ない」だが、こう書くよりは、「例文のように離すことは、避けるべきだ」のようにするのがよい。(引用終り。参照:『超文章法』(野口悠紀雄、中公新書))