(アンデルセン童話)
あひるの巣(す) の中で、卵(たまご) が割(わ) れて、雛(ひな) が次々(つぎつぎ) と生(う) まれてきます。「があ、があ、があ、があ。」
お母さんあひるは大喜(おおよろこ) びです。でも、雛の中に、体も頭も大きい、醜いあひるの子が一羽(いちわ) いました。
「変(へん) な子だねえ。」
「一緒(いっしょ) に遊びたくない。」
兄弟(きょうだい) たちは、醜いあひるの子をいじめます。
.兄弟なんだから、みんな、仲良(なかよ) く遊ぶんですよ。.
お母さんあひるはそういうのですが、醜いあひるの子と遊ぶ兄弟はいません。
醜いあひるの子はいつも一人で遊んでいました。
ある晴(は) れた日。
お母さんあひるは、みんなを連(つ) れて、野原(のはら) に行きました。醜いあひるの子はいつものように一人で遊んでいましたが、いつか皆(みんな) とはぐれてしま
いました。
「お家(うち) に帰れないよう。」
醜いあひるの子は、泣きながら歩いていきました。だーん突然、鉄砲(てっぽう) の音がひびいて、鴨(かも) が一羽空から落ちてきました。
猟師(りょうし) が鉄砲を撃(う) ったのです。
「怖(こわ) い!」
醜いあひるの子は、物陰(ものかげ) に隠(かく) れてふるえていました。
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