当研究室は平成12年に新たに発足した新米研究室ですが,新しいことへのチャレンジ精神を大切にして,「夢のある研究」を行なっています.目標は,人のようにコミュニケーションできる機械,人のように「自らの意志で」行動できる機械システムの開発です.鉄腕アトムやドラエモンのようなロボット,2001年宇宙の旅のHALのような計算機を作ってみたい,というのが大きな目標です
具体的な課題:
- 強化学習による変化する環境下での行動戦略の学習
- 「心を読む」プログラムの人工生命的手法による創発
- お喋りのような自由な話し言葉対話の分析とモデル化
- 対話における視線,顔情報の役割の解明,計算機処理
これまでの人工知能は,人が教えた通りに行動できる機械の開発を目指してきました.我々が目指す「創発知能システム」とは,変化する環境の中で自ら学習し,今までにできなかった新しいことをできるようになるシステムです.私たちにとって,最も難しい環境とは他の人との付き合いです.計算機にとっても,物理的世界の中でうまく行動すること(も十分難しいですが)よりも,人や他の計算機とうまく付き合うことの方が遥かに難しいのです.特に対話は計算機のもっとも苦手なことです.計算機に人のような対話をさせるためには,まず私たち自身が「対話」の本質を良く理解できていなければなりません.視線やその他の非言語情報も大切です.このように当研究室では,「環境からの学習」と「コミュニケーション」をキーワードに人のような知能の実現に取り組みます.