#1 作者:.................. 2005-7-17 18:01:00)
偷柿子的贼
闇夜(やみよ)に,二人の若い男が,こそこそ話しております。
「今夜(こんや)は,真っ暗(まっくら)やみだから,隣りの柿を盗もうじゃないか。」
「うん,それじゃあ,おれが木に登って,棒(ぼう)で叩(たた)き落とすから,お前は,下で拾(ひろ)ってくれ。」
相談(そうだん)が纏(まと)まると,早速(さっそく),一人の男が木に登り,棒で叩きますと,柿はごろごろ落ちてきます。下で拾(ひろ)う役(やく)の男は,慌てて拾い始めましたが,あんまり慌てたので,深い溝(どぶ)の中に落ちてしまい,上がれません。
「おーい,落ちた落ちた。」
溝に落ちた男が騒(さわ)ぐと,
「落ちるはずだよ。叩いてるんだから……。」
「いやいや、落ちた落ちた。」
「当り前(あたりまえ)だ。早く,拾え。」
「違(ちが)う。溝に落ちたんだ。」
すると,木の上の男,
「溝に落ちたのは,捨(す)てておけ。」