名詞 : × + につけ
動詞・イ形容詞:原形 につけて(も)
(注:接続詞の形は「それにつけても」、「何かにつけ」は慣用)
李 :それにつけても景気が悪いなあ。商店街でも店を閉めてるところが増えたよ。
良子:デパートの売上げも長期低落傾向ね。みんな財布のひもが堅くなっているのよ。
李 :この事態を見るにつけ、バブルの頃が懐かしく思い出されるよ。まあ、はかない一炊の夢だったけど。
「~につけ/~につけて(も)」は「~すると、自然に~」を表す文型で、「~と、決まって/~と、いつも」や「~度に」(→文型151)と類義表現になります。この文型の特徴は後件に「思い出される/しのばれる/案じられる/よみがえる/感じられる」などの自発の動詞が多く現れることで、話者の感慨や感情を込めた自然・自発の時の表現です。そのため、この文型は後件で意志行為が表せませんが、「~と、いつも/~度に」はどんな場合にも使えます。
クリスマスになる
○ 度に
○ といつも/と決まって
× につけ
母はケーキを作ってくれた。
1.今日の祖国の繁栄を思うにつけ、戦場に散っていった戦友のことが偲ばれる。
2.君は何かにつけて僕に辛くあたるが、何か僕に恨みでもあるのかい。
3.何事につけても「石の上にも三年」だよ。それが辛抱できないようで何も身につかない。
4.それにつけても思い出すのは初めて東京に来た日のことだ。
5.一人二人と友がこの世を去るにつけ、老いの寂しさを感じる。