動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな> + ことから
ことからも
ところから
李 :日本人は、人前で恥をかきたくないと思うことから、外国語を話す力が身につかないんじゃないのかなあ?
良子:耳の痛い話だけど、的を射ていると思うわ。日本文化のことを「恥の文化」と言った人もいたわ。
李 :言い得て妙だなあ。そんなところから「自己主張が苦手な日本人」と言われるのかもね。
これらは根拠や理由を述べる「から」から生まれた表現です。例えば例文1、2は判断の根拠や理由を表していて、文末では「~と考える/~とわかる」や「~らしい/~ようだ」がよく現れまます。この場合は「~ことから」も「~ところから」も使えます。
例文3、4は「百科事典・東洋のベニス…」と呼ばれるようになった由来を説明する文で、「~ところから」は使えません。これは「~ことから~と言われる/と呼ばれる」と文型として覚えた方がいいでしょう。
例文5は実例を挙げる用法で、多くは「~ことからも~がわかる/うかがえる/うかがい知ることができる」という形で使われます。この場合も「~ところから」は使えません。それは「~ことから」は「~という事実から」、「~ところから」は「~という状況・場面から(主として視覚判断)」という違いから生じています。→例題1)
1.足跡が大きいことから、どうやら犯人は男らしい。
2.何でも自分一人でやろうとするところから、無理が生じる。
3.彼は物知りであるところから、生き字引と言われている。
4.彼の絵は独創性にあふれ、色彩感覚も豊かなことから、現代のピカソと呼ばれている。
5.古代人がいかに高い文明をもっていたかは、今まで述べてきたことからもおわかりいただけると思います。