の・む 1 【飲む/▼呑む】
(動マ五[四])
(1)口の中の物を腹の中へ入れる。
(ア)水・酒その他の飲み物を口から腹へ入れる。 「水を―・む」「ビールを―・む」「今日は一日中―・まず食わずだった」
(イ)酒を飲む。また、酒のために金銭を消費する。 「今晩―・みに行かないか」「家屋敷を―・んでしまう」
(ウ)固形物をかみくだかずに腹に入れる。 「スイカの種を―・んでしまう」「オブラートに包んで―・む」「八岐(やまた)の大蛇の為に―・まれき/日本書紀(神代上訓)」
(エ)薬を口から腹に入れる。服用する。《飲》 「薬を―・む」
(オ)タバコを吸う。喫煙する。 「タバコを一日に四〇本も―・む」
(2)流れなどが、中に取り込む。包み込む。受け身の形で使うことが多い。 「海岸の民家が津波に―・まれた」「闇に―・まれる」
(3)比喩的に、門や入り口が人などを入れる。 「五万の観衆を―・んだ国立競技場」
(4)闘志や気魄(きはく)で相手を圧倒する。 「初めから相手を―・んでかかる」「会場の雰囲気に―・まれてしまう」「気を―・まれる」「勢ひ京洛を―・めり/太平記 11」
(5)出そうになるものを押しとどめる。
(ア)(「息をのむ」などの形で)驚くような場面に出くわして、大きく息を吸ったままでいる。 「むごたらしさに思わず息を―・む」「固唾(かたず)を―・んで見守る」
(イ)(「声をのむ」の形で)びっくりして思わず声が出そうになったのをこらえる。 「その光景を見て一瞬声を―・んだ」
(ウ)(「涙をのむ」「うらみをのむ」などの形で)不満・怨念(おんねん)・無念などを表面には表さない。残念だ、恨めしいという思いをする。 「九回裏で逆転されて無念の涙を―・んだ」「うらみを―・んで異境に散った人々」
(6)相手の要求を、不満をもちながらも受け入れる。受諾する。 「賃上げ要求を―・む」「条件を―・む」
(7)刃物などを隠し持つ。 「ふところに匕首(あいくち)を―・んでいる」「どすを―・む」
(8)ごまかして自分のものにする。 「さてその跡へ乗り込んで、糸屋の身代―・んだ上/歌舞伎・心謎解色糸」
[可能] のめる
[慣用] 清濁併せ―・爪の垢(あか)を煎じて―/煮え湯を飲まされる
飲む打つ買う
大酒を飲み、博打(ばくち)を打ち、女郎を買う。男の悪行の代表的なもの。 「―の三拍子」
飲めや歌え
宴会などで、にぎやかに酒盛りをするさまにいう。 「―の大騒ぎ」
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