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(中日对照)永井荷风散文选(6)

永井荷风散文选


家中の障子を悉く明け放し空の青さと木葉の緑を眺めながら午後の暑さに草苺や桜の実を貪つた頃には、風に動く木の葉の乾いた響が殊更に晴れた夏といふ快い感じを起させたが、今降りつゞく雨の日は深夜の如く沈み返つて木の葉一枚動かず、平素ふだんは朝から聞えるさま/″\な街の物音、物売りの声も全く杜絶えてゐる。午前の十時頃が丁度夕方のやうに薄暗い時いつもは他の物音に遮ぎられて聞えない遠い寺の時の鐘が音波の進みを目に見せるやうに響いて来る。すると、此の寺の鐘は冬の午後に能く聞馴れた響なので、自分の胸には冬に感ずる冬の悲しみが時ならず呼起され、世の中には歓楽も色彩も何なんにもないやうな気がして、取返しのつかない後悔が倦怠の世界に独で跋扈するのである。


中译:


打开家里所有的隔窗,望着蓝蓝的天空,以及浓绿的树叶,在炎炎午后,边吃着草莓或是樱桃,随风而动的树叶发出飒飒声响,更加觉得晴日里的夏天是多么令人愉悦的。而现在下个不停的雨,每一片树叶都陷入了如深夜般的寂静,一动不动。平时每天早上,街道传来的各种喧闹声,叫卖声,而今只剩一片沉寂。上午十点左右,明暗恰如傍晚时分,平时都被其他杂音掩盖而听不见的钟声从远远的寺庙传来,甚至可以感觉到那声波的流动。因为在冬日里听惯了这样的钟声,于是,胸中涌出不合时宜的冬之悲凉,让我产生错觉,世间没有了欢愉,也失去了色彩,这个倦怠的世界只剩下难以挽回的懊悔在飞扬跋扈。


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