(誤)娘(むすめ)十八番茶も出花と言いますが、しばらくぶりでお会いしたら、お宅のお嬢さん、すっかりきれいになられて。
(コメント:「鬼(おに)も十八(じゅうはち)番茶(ばんちゃ)も出花(でばな)」が一般的。「娘十八番茶も出花」の形を掲げることわざ辞典もあり、冒頭例も全くの誤りとは言えないかもしれないが、用法上問題がある。この言葉の意味は、「(鬼も年ごろになれば美しく見え、番茶も湯をついで出したばかりの時には香りや味がよいの意から)女の子はだれでも年ごろになれば、それ相応にきれいに見え、魅力もそなわるものだ」ということ。醜(みにく)い形相(ぎょうそう)の鬼と質(しつ)の悪い番茶とをたとえに出して、きれいになった娘をからかう意味合いが強い。したがって、本人やその両親などに対して、正当な褒(ほ)め言葉のつもりで使うことはできない。)