(誤)せんだんは双葉よりも芳しというが、あの画伯(がはく)は子供のころから周(まわ)りの大人(おとな)たちをびっくりさせるような絵をかいていたそうだ。
(コメント:「せんだん(栴檀)は双葉より芳し」が正しい。この「より」は、動作・作用の時間的起点を示す助詞。意味は、「<栴檀(=香木(こうぼく)として知られる白檀(びゃくだん)のこと)は芽を出したばかりの双葉のころから早くも香気を放つの意から>将来大成するような人は、小さい時分から人並みはずれてすぐれたところがある」ということ。冒頭例は、この言葉のいわれを知らず、「より(も)」を比較の基準を示す助詞と勘違いしている。)