(誤)自社製品の販路拡張については、ライバル会社との今回の競争がまさに天下分け目の天目山と言ってよい。
(コメント:「天王山」は、京都府乙訓(おとくに)郡大山崎(おおやまざき)町にある小山のこと。ここは桂川(かつらがわ)・宇治川(うじがわ)・木津川(きづがわ)が合流して淀川(よどがわ)となる地点で、古来水陸交通の要地とされ、羽柴秀吉(はしばひでよし)と明智光秀(あけちみつひで)がこの地で戦った時、「天王山」の占有が勝敗の決め手になったと伝えられるところから、「勝敗や運命を決する重大な分かれ目」を意味するようにもなった。(なお、実際の山崎の戦いでは、「天王山」が戦場になった事実はないという。)例、「各チームの最有力選手が競う第三区が、この駅伝の天王山だ」。この語の前に「天下分け目の」を付けて語呂(ごろ)のよい言葉にしたのが「天下分け目の天王山」である。一方、「天目山」は、山梨県中東部にある山をいう。南麓(なんろく)の田野(たの)は、武田勝頼(たけだかつより)が織田信長(おだのぶなが)の部下の滝川一益(たきがわかずます)らと戦って自刃(じじん)した所として知られる。そこから、「天目山」が「物事の最後の場面・場所。また、勝敗の(最後の)分かれ目」の意で使われるようになった。例、「天目山を迎え、一歩もひかぬ覚悟で戦う」。しかし、「天下分け目の」に続くのは「天王山」のほうだけで、「天下分け目の天目山」とは言わない。)