(△)両者の仲介をしただけで二十万円にもなったとは、まさに濡れ手に粟といったところだね。
(コメント:「濡れ手で粟」は、「(水に濡れた手で粟をつかむと、たくさんの粟粒がたやすく手についてくるところから)苦労せずに多くの利益を得ること」を意味する。「濡れ手で粟のつかみ取り」「濡れ手で粟のぶったくり」「濡れ手で粟をつかむ」などともいう。冒頭例の「濡れ手に粟」は本来の形ではないが、全くの誤りとは言えないであろう。最近、「濡れ手で泡(あわ)」と書き、「つかもうとしてもつかめないこと。骨折りが無意味になること」の意で使う人もいるようであるが、誤りである。もっとも、このことわざの「あわ」は「粟」と「泡」(泡銭〈あぶくぜに〉=労せずして得たお金)との掛けことばになっているという説もあり、それによれば「泡」と無関係ではないことになる。なお、「濡」「粟」は常用漢字でない。)