(△)願わくば君の前途に幸(さち)多からんことを。
(コメント:「願わくは(=願うことは。望むところは。どうか)」の「は」は、「惜しむらくは(=惜しいことには。残念なことには)」「望むらくは(=望むところは)」などの「は」と同様に、本来清音である。語源は、「願はく」(「願ふ」に「あく」(「こと」の意を表す)の付いた「願ふあく」からの変化)に係助詞「は」の付いたもの。今日でも、「願わくはわれを許したまえ」「願わくは勝利の栄冠を勝ち取られんことを」などと文語調の言い方に使われる。「願わくば」は、形容詞に接続助詞「ば」の付いた仮定表現「欲(ほ)しくば」などとの混同から生じたものであろうか。現在、「願わくば」と言う人も多く、この形も全くの誤りとは言えないであろう。)