(誤)外国旅行をするに際して、娘は、母親からあれこれの注意を耳にたこが付くほど聞かされた。
(コメント:「耳にたこができる」は、「同じ事を幾度も繰り返し聞かされて、うんざりするさま」をいう。「胼胝」(「へんち」「べんち」「へんてい」とも読む)は、「絶えず外から刺激を与えられた皮膚の一部分が、硬く厚くなったもの」を指す。これを、冒頭例のように「耳にたこが付くほど」と言うのは誤りである。「耳に付く(=物音や声が耳にとまって、気になる。また、同じ事を何度も聞かされて、これ以上聞くのがいやになる)」との紛れによる誤りか。古くは、「胼胝」に「(海にすむ)蛸(たこ)」を掛けて、「耳にたこが入(はい)る」という言い方もあった。なお、「胼」「胝」は常用漢字でない。)