(誤)台風接近のニュースで農作物(のうさくぶつ)の被害が心配されたが、その後コースが海の方へ大きくずれ、農家は皆肩をなで下ろした。
(コメント:「胸をなで下ろす」は、「不安や心配事が解消して、やれやれと思う。ほっとする。安心する」の意を表す。(「安堵(あんど)の胸をなで下ろす」とも言う。)「子供の熱が五日ぶりに平熱に戻り、両親はひとまず胸をなで下ろした」。この反対語が「胸を痛める」である。一方、「自分の責任や義務を果たして、気になることがなくなる。責任や負担から解放されてほっとする」の意を表す語に「肩の荷を下ろす」「肩の荷が下りる」がある。「子供らが独立し、両親はやっと肩の荷を下ろした」。冒頭例は、この「胸をなで下ろす」と「肩の荷を下ろす」との紛れによる誤りか。なお、「撫」「堵」は常用漢字でない。)