「あんたも女ってわけだ」とベーアマンは叫びました。「モデールにならんと誰が言ったらんか。いいかね。あんたと一緒に行くったらさ。モーデルの準備はできてると、三十分もの間、言おうとしたったらさ。ゴット! ここは、ヨーンジーさんみたいな素敵なお嬢さんが病気で寝込むところじゃないったら。いつか、わしが傑作を描いたらって、わしらはみんなここを出ていくんだら。ゴット! そうなんだら」
上の階に着いたとき、ジョンジーは眠っていました。スーは日よけを窓のしきいまで引っ張りおろし、ベーアマンを別の部屋へ呼びました。そこで二人はびくびくしながら窓の外のつたを見つめました。そして一言も声を出さず、しばし二人して顔を見合わせました。ひっきりなしに冷たい雨が降り続き、みぞれまじりになっていました。ベーアマンは青い古シャツを着て、ひっくり返したなべを大岩に見たて、穴倉の隠遁者として座りました。
次の朝、一時間ねむったスーが目を覚ますと、ジョンジーはどろんとした目を大きく開いて、降ろされた緑の日よけを見つめていました。
「日よけをあげて。見たいの」ジョンジーはささやくように命じました。
スーはしぶしぶ従いました。
けれども、ああ、打ち付ける雨と激しい風が長い夜の間荒れ狂ったというのに、つたの葉が一枚、煉瓦の壁に残っておりました。それは、最後の一枚の葉でした。茎のつけねは深い緑で、ぎざぎざのへりは黄色がかっておりました。その葉は勇敢にも地上二十フィートほどの高さの枝に残っているのでした。
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