空は日毎に青く澄んで、よく花見帰りの午後から突然暴風になるような気候の激変は全くなくなった。日の光は次第に強くなって赤味の多い柚色の夕日はもう黄昏も過ぎ去る頃かと思う時分まで、案外長く何時までも高い樫の梢の半面や、または低く突出した楓の枝先などに残っている。あるいは何処から差込んで来るものとも知れず、植込みの奥深い土の上にばらばらな斑点を描いている事もあった。掛かる夕方に空を仰ぐと冬には決して見られない薄鼠色の鱗雲が名残の夕日に染められたまま動かず空一面に浮いていて、草の葉をも戦がせないほどな軽い風が食後に散歩する人をばいつか星の冴えそめる頃まで遠く郊外の方へと連れて行く。
天空每天都那样湛蓝,朝出门赏花,才过正午就突起暴风,如此莫测的天气完全没有。阳光渐渐灼热起来,直至火焰般略带柚黄的夕阳也快要落幕之时,它却还固执的坚持着,借着高高的栎树梢掩着半面,枫树的低矮枝头也挂着它的辉影。又或不知从何照射进来,宛若镶进土壤深处的星星点点。望着挂着夕阳的天空,冬日里决没有的鳞云铺满天空,一动不动的映衬着恋恋不舍的夕阳。微风拂过,未惊醒一片草叶,将饭后散步之人带至远远的郊外,直至星辰泄满一地。