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晩年(ばんねん)

 

(誤)一時は常に三割以上の高打率をマークしていたあの名選手も、現役も晩年になると二割そこそこの年が数年続き、ついに引退を余儀なくされた。

(コメント:「晩年」は、「その人の一生のうちで、年を取ってからの時期。死に近い時期」をいう。主に、ある程度の高齢まで生きた物故者(ぶっこしゃ)の生涯について語るときに用いられる。例、「あの老大家は晩年になっても筆を執らぬ日がなかったそうです」。したがって、「石川啄木(たくぼく)の晩年の歌集「悲しき玩具(がんぐ)」は、短歌史上不朽の生命をもつ」などとは言わない。(啄木は満二十六歳で病没した。)また、直接当人に向かって、「先生の晩年は毎日御趣味の囲碁三昧(ざんまい)で、まことに結構でございますね」などと言うのは失礼に当たる。冒頭例は、ある野球選手の現役時代の最後について「晩年」と言ったものであるが、そのような使い方はおかしい。「現役も終わりごろになると二割そこそこの年が数年続き…」とでも言うところか。なお、国語辞典の中には、「職業生活のうちのおわりに近い時期」の意をも認め、「現役時代の晩年」という用例を掲げるものもあるが、まだ一般的な用法にはなっていないと思われる。)

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