(誤)このところの彼ときたら、仕事をミスして課長にはにらまれるし、口を滑(すべ)らして女性社員には嫌われるし、まさに憎まれっ子世をはばかるで、社内では小さくなっているよ。
(コメント:「憎まれっ子世にはばかる」は、「人々から憎まれたり嫌われたりするような者に限って、世間では幅を利かし威勢を振るうものだ」(「はばかる(憚る)」は、「幅を利かせる。大きな顔をする。威張(いば)る」の意)ということ。例、「あの男は何でも強引に事を進めるので敵も多いが、同期の中ではいちばん早く重役になるのではないかと噂(うわさ)されているよ」「憎まれっ子世にはばかるといったところだな」。冒頭例のように「憎まれっ子世をはばかる」と言い、「人に憎まれている者は、世間において遠慮し小さくなっている」の意で用いるのは誤り。)