(誤)この「論語」の版本は江戸時代前期に複刻されたものである。
(コメント:「ふっこく」の本来の漢字表記は「覆刻」である。意味は、「被(かぶ)せ彫り(=版本を刊行する場合、原版で刷った本文紙を版木に貼(は)りつけ、それを版下(はんした)として彫刻しなおすこと)」などによって既刊本を再製することをいう。近年、本の再製が版木によらず印刷製版などによるようになっても、従来の表記「覆刻」は用いられている。しかし、「もう一度印刷すること」の意で「復刻」とも書かれるようになった。(新聞では「復刻(版)」を用いている。)また、「複刻」を併記する辞典もあるが、これは「複製印刷」の意で使われるようになったものであろう。冒頭例は本来の意味で「版本のふっこく」のことを言っているので、「覆刻」が適切である。)