拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申しあげます。
さて、このたび長女沙知子の結婚に際しましては、ご丁重なるご祝詞と立派なお祝いのお品まで賜わりまして、誠にありがたく心からお礼申しあげます。
お陰様にて式も滞りなく終わり、北海道へ新婚旅行にまいりました。
私どももなんだかポカンとしてしまいまして、安心したのか、寂しくなったのか自分の気持ちもつかめないようなありさまでございます。しかしながら結婚したとはいえ、まだまだ未熟な二人でございまして、皆様のお導き、お教えを賜わらなければならないことばかりでございます。どうぞお力添えくださいますよう、私どもからも伏してお願い申しあげます。
近いうちに私どもも一緒にお伺いしてお礼を申しあげたく存じますが、とりあえず書面にてお礼申しあげます。
末筆ながら、ご尊家の皆様によろしくお伝えくださいますようお願い申しあげます。
敬具
「まだまだ未熟な二人で……」と今後の引き立て、指導を願っておくこと。 |