b「結果の存続・状態」にあたるのは(4)(9)です。(9)は散った桜が地面に落ちて、絨毯のように見える状態を表しています。(8)と違って、桜が散ったあとの様子に視点があります(絵2)。
絵2「桜の花が一面に散っている」
c「習慣・繰り返し」にあたるのは(5)(14)す。(4)の「死んでいる」は死んだあとの状態を表していますが、⑭の場合は1ヵ月平均にすると500人位の人が死んでいるという繰り返しを表しています。普通「習慣、繰り返し」を表す場合、「毎日」「毎月」「毎年」などの言葉が付くことが多いです。
d「経験」にあたるのは(7)(12)です。過去に起こったことを回想的に述べ、それが何らかの形で現在と関わりを持っています。今年のワールドカップで優勝したブラジルは、8年前にも優勝したことがあるという経験を表しています。
e「主体の状態・性質」にあたるのは(3)(10)です。これは形容詞の性格に近い、形容詞的動詞といえます。このような動詞は、普通「Vている」「Vた」「Vていた」の形で使います。例えば、「山がそびえている」「優れている人」「ばかげた話」「恵まれた環境」などがあります。
f「職業」にあたるのは(1)(13)です。よく「毎日、会社に勤めています」と言う人がいますが、「勤める」に「毎日」が付くと不自然です。「勤めています」は動作の繰り返しではなく、ずっとその状態が続いていることを表しているからです。
g「過去」にあたるのは(6)(11)です。「Vていた」の形で、過去にすでに完了していることを表したり、「Vている」の形で、未来のある時点で完了していることを表します。
このような「文法的意味」については、よく試験などに出され、比較的取り組みやすいと思います。しかし、実際の場面での話し手の発話意図などを理解し、円滑なコミュニケーションを図っていくためには、これだけでは不十分です。違う視点が必要になってきます。
次回は「機能的意味」と「文化的意味」について、考えていきたいと思います。
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