(正)「彼女はなんであんな男と一緒になったのかね。特別男前でもないし、仕事の面でもぱっとしないのにさ」「おいおい、そこまで言っては実も蓋もないよ」
(コメント:「身も蓋も無い」は、「(容器の、物をいれるほうの身も、それにかぶせる蓋もないということから)言葉が露骨(ろこつ)すぎて、情味や含蓄が全くない。言うことが直截(ちょくせつ)すぎて、話の続けようがない。にべもない」の意を表す。(「蓋」は常用漢字でない。)「こう言っては身も蓋もないが、彼にこの大役を任せたことがそもそも間違っていたのさ」。この言葉は、ふつう、冒頭例のように「実も蓋もない」とは書かない。しかし、国語辞典の中には、「身も蓋も無い」の語義解説の後に「実も蓋も無い」の表記を付記するものもあり、全くの誤りとは言えないかもしれない。「実」の付く言葉には、「長年の努力が実を結ぶ」「花も実もある取り計らい」などがある。)