風伯(ふうはく)と言い、雨師(うし)と呼ぶ。風の神、雨の神のことである。その風伯雨師がもたらす空の営みに、日本人は多彩な名前をつけてきた。風の名は全国で2千を超すという。雨の名前も負けずに多い。
称为风伯,呼之雨师,其实就是指风神、雨神的意思。对于由所谓的风伯雨师所带来的天空的运作,日本人给它们起了些丰富多彩的名字。据说,光风的名称全国范围内就超过了2千个。当然,雨的名称也不少,并不甘下风。
殴り雨、ごず降り、ざぶり、滝落(おと)し、柴槫雨(しばくれあめ)……。激しい雨だけでも様々な名がある。柴槫とは雑木の板材。それを組んだ筏が、増水した川を流れる光景に由来するそうだ(『雨の名前』小学館)。どれも土地土地の経験が生んだ呼び習わしだろう。しかし今回、雨は経験則を超える激しさで熊本、大分を襲った。
殴雨、牛头降、龙汲水、泷落、柴槫雨……,即使只算上雨势猛烈的暴雨也有形形色色不少名称。诸如柴槫原本是一种杂木板材意,据说源于由这种板材组合 成的木筏漂流在水量猛增后河床上的情景(摘引自《雨的名字》小学馆出版)。所有这些名称恐怕任何一个都是当地生活经验的积淀吧。然而,这一次的暴雨以超越了经验规则的猛烈分别袭击了熊本和大分两地。
「これまでに経験したことのないような大雨」の表現で気象庁は注意を喚起した。危急を伝えるために先月から始めた試みの、初めての実施になった。そして実際、1時間に108ミリという雨が降った。
气象厅采用“前所未有的大雨”这种表达以期唤起民众及相关部门的注意。为了传播危急的信息,从上个月才开始的尝试,这次是第一次付诸实施。而且,实际情况是在1个小时里降下了108毫米的雨水。
よく聞く「バケツをひっくり返したような雨」とは1時間に30ミリ以上だという。50ミリを超すとあたり一面が白っぽくなり、80ミリだと恐怖を感じる。108ミリの体感は推して知るべしだろう。
据说,我们时有耳闻的所谓“扣翻水桶般的大雨”其实1小时里也只有30多毫米。如果超过50毫米的降雨那得下成一片白;达到80毫米将会感到恐惧;那么,108毫米的感受恐怕只能以推断得知了。
気象随筆の倉嶋厚さんが、雲のことを「空の水道の蛇口」と言っていた。地球の表面には均すと年に約千ミリの降水がある。だが天意はままならず、世界は豪雨と干ばつが偏る。悔しいが、蛇口を開け閉めする才知は人間にはない。
气象随笔作家仓嶋厚先生曾经将云层说成是“天空中的自来水龙头”。地球表面平均每年将要接受大约一千毫米的降雨。但是,天意并不随人意愿,全世界总是偏向于暴雨和干旱这两者中的某一个方面。尽管令人懊丧不已,可是人类中并不存在拥有能够开关这一水龙头的睿智者。
気象庁によれば九州上空の「蛇口」はなお緩く、注意がいる。この時期の「荒梅雨」「暴れ梅雨」の名には、先人の苦い経験が染みていよう。水の惑星の水の国。梅雨明けまでひと用心、ふた用心が欠かせない。
据气象厅预报,九州上空的“水龙头”仍然行动缓慢,因此必须提高警惕。出现在这一时期的“狂暴梅雨”“猛烈梅雨”等名称浸透了先人苦涩的生活经验。在此水之行星上的水之国度,直到出梅为止不可欠缺的是小心!小心!再小心!