私の趣味はぱくることです。言わば欲しさのあまり、ついつい喉から手が出そうになってしまうのです。素晴らしいものを見ると、いつも感銘を受けずにはいられないのです。私はその感銘を常に大事にしているゆえに、いかなる手を尽くしても我が物にせずにはおかない、という気持ちでいます。それも勇気のあることだと、私は思っています。歌麿の浮世絵だって、漱石の「心」だって、たまには私の作と似たりよったりと思わないでもないのです。「君、結構センスあるよな」と先生にも言われたことがありました。でも、私は驕らないつまりです。何故なら、この世界ではまだまだ私が欲しいものが、一杯一杯あると信じているからです。その全ての素晴らしいものをぱくることが出来たらなぁ、と夢を見ているのです。
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