(誤)芥川竜之介(あくたがわりゅうのすけ)の短編小説は、どれもこれも推考に推考を重ねた作品と言ってよい。
(コメント:「詩や文章の字句をあれこれと考えて練り直すこと」を意味する「すいこう」は、「推敲」が正しい。この語は、中国、中唐の時代、ある詩人が「僧は推(お)す月下の門」という句を作ったが、「推す」を「敲(たた)く」にしたほうがよいか迷っていたとき、高名な文人韓愈(かんゆ)が「敲く」のほうがよいと言ったという故事から出た。「敲」は常用漢字表にない字。なお、「推考」も、「失敗に終わった原因を推考する」など、「推し量って考えること」の意では使われる。)