3. リチャード・ニクソン第一期大統領就任演説(1969年1月20日)
ダークセン上院議員、合衆国最高裁判所長官、副大統領、ジョンソン大統領、ハンフリー副大統領、そしてアメリカ国民のみなさん、そして世界中の国々のみなさん。
私はあなたがたに今日、この荘厳な時を私と共有することをお願いしたい。整然とした権力の委譲において、われわれに自由をもたらす団結を祝いましょう。
歴史上のどの瞬間も、うつろい行き、かけがえがなく、同じ時は二度とはもどってきません。しかし始まりとして突出している時もあり、そのような時に、何十年、何世紀ものわれわれの針路が決まるのです。
今がまさしくそのような時です。
人類の多くの人のもっとも深い願いがついに実現するという希望が、初めてかなう方向に力が集結しつつあります。急速な変化はわれわれが生きている間に、かつてだったら何世紀もかかったことだろう進歩をこの目でみることを可能にしました。
宇宙の果てをひろげて来たわれわれは、地上において新たな地平線を見つけ出しましょう。
世界の人々が平和をもとめ、世界のリーダーたちが戦争を恐れ、その結果、歴史上はじめて時代が平和を支持しているのです。
今から8年後、アメリカは国として200年の記念を祝うことになります。ほとんどの人が生きているあいだに、人類は1000年に一度しかない新しい年、3回目のミレニアムの初めを祝うことになるでしょう。
われわれがどのような国になるのか、われわれがどのような世界に生きるのか、われわれが希望するような未来を築けるかどうかは、あくまでわれわれの行動と選択によるのです。
歴史が捧げる一番の名誉は、平和への調停者の称号でしょう。この名誉は、現在アメリカに手招きをしています。世界がとうとう動乱の谷から抜け出して、人類が文明の夜明けから夢見てきた平和な高台へと至る機会があるのです。
もしわれわれが成功すれば、来たる世代は、われわれが時を支配し、人類にとって世界が平和になるのを助けたと語ることでしょう。
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