「~ために」も「~ように」も、以下のような例文ではともに目的を表します。
会議を早く始めるために~
会議が早く始められるように~
ところが、上記の例において「~ために」と「~ように」をそのまま置き換えると不自然に感じられます。
会議を早く始めるように(スケジュールを調整した。)
会議が早く始められるために(スケジュールを調整した。)
このように、等しく目的を表す副詞節を導く表現ではありますが、二つの表現は先行する動詞がどのようなものであるかという点において異なっています。「~ために」は意志的な動作を表す動詞に続き、一方の「~ように」は無意志的な動作を表す動詞に続くという違いがあります。
旅行に行くために休みをとった。
旅行に行くように休みをとった。
誰にでもわかるように易しい言葉で説明した。
誰にでもわかるために易しい言葉で説明した。
ところで、動詞によっては意志的な動作と無意志的な動作の両方を表すものがあります。
嫌なことは忘れてしまおう。〔意志的な動作〕
返事を出すのをうっかり忘れていた。〔無意志的な動作〕
ご質問の「遅れる」も意志的な動作・無意志的な動作のいずれをも表し、「遅れないために」「遅れないように」の両方の言い方が可能です。「遅れないようにするために」は、二つの表現が含まれていますが、「遅れないようにする」全体で意志的な動作を表しており、これに「~ために」が続いているものです。