第二学年の終りに、私は藤野先生を訪ねて、医学の勉強をやめたいこと、そしてこの仙台を去るつもりであることを告げた。彼の顔には、悲哀の色がうかんだように見えた。何か言いたそうであつたが、ついに何も言い出さなかつた。
「私は生物学を習うつもりです。先生の教えてくださつた学問は、やはり役に立ちます」実は私は、生物学を習う気などなかつたのだが、彼がガッカリしているらしいので、慰めるつもりで嘘を言つたのである。
「医学のために教えた解剖学の類(たぐい)は、生物学には大して役に立つまい」彼は嘆息して言つた。
出発の二、三日前、彼は私を家に呼んで、写真を一枚くれた。裏には「惜別」と二字書かれていた。そして、私の写真もくれるようにと希望した。あいにく私は、そのとき写真をとつたのがなかった。彼は、後日写したら送るように、また、時おり便りを書いて以後の状況を知らせるように、としきりに懇望した。
译文:
到第二学年的终结,我便去寻藤野先生,告诉他我将不学医学,并且离开这仙台。他的脸色仿佛有些悲哀,似乎想说话,但竟没有说。
“我想去学生物学,先生教给我的学问,也还有用的。”其实我并没有决意要学生物学,因为看得他有些凄然,便说了一个慰安他的谎话。
“为医学而教的解剖学之类,怕于生物学也没有什么大帮助。”他叹息说。
将走的前几天,他叫我到他家里去,交给我一张照相,后面写着两个字道:“惜别”,还说希望将我的也送他。但我这时适值没有照相了;他便叮嘱我将来照了寄给他,并且时时通信告诉他此后的状况。