ある日、王子様が嬉(うれ) しそうに言ったのです。
「僕は、結婚するんだ。僕が海で溺(おぼ) れた時、助けてくれた女の人とね。その人は、隣(となり) の国のお姫様(ひめさま) だったんだよ。」
人魚姫は、「助けたのは私です。」と叫(さけ) びたかったのです。でも、声を出(だ) すことができません。人魚姫は、ただ悲(かな) しそうに笑っただけでした。とうとう、王子様の結婚式(けっこんしき) の日が来ました。その夜、海にお姉さんたちが浮(う) かんできました。「魔女に頼(たの) んで、ナイフをもらってきたよ。これで王子様の胸(むね) を刺(さ) すのだ。そうすれば、お前は海の泡(あわ) にならなくていいんだよ。」
人魚姫は、ナイフを受(う) け取(と) りました。人魚姫は王子様の寝ている部屋にしのび込みました。
王子様はベッドですやすやと眠(ねむ) っています。「王子様、さようなら。」人魚姫は、心の中でそういって、ナイフを振(ふ) り上(あ) げました。でも、どうしても、王子様を刺すことはできません。人魚姫は、涙(なみだ) を流(なが) しながら、ナイフを海に投(な) げ捨(す) てました。
そして、自分も海に飛び込んでいったのです。
海に、朝の光(ひかり) が射(さ) してきました。人魚姫は、空に昇(のぼ) っていきます。
人魚姫の耳に、天使(てんし) たちの声が響(ひび) いてきました。
「人魚姫よ。これから三百年、人間のためになることをおやりなさい。そうすれば、神様(かみさま) しあわあたはあなたにいつまでも変わらない幸せを与えるでしょう。」
生词
人魚姫(にんぎょひめ)美人鱼
明かり(あかり)灯,光,亮儿
浮かぶ(うかぶ)浮起,浮出
賑やか(にぎやか)热闹,繁华
嵐(あらし)暴风雨
襲う(おそう)袭击,侵袭
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