白雪姫
(グリム童話)
ある国で、王様とお后(きさき)の間(あいだ)に可愛い女の子が生まれました。雪のように白いので「白雪姫」と名(な)前(まえ)が付(つ)けられました。
まもなく、お后は亡(な)くなり、新しいお后が迎(むか)えられました。そのお后は、美(うつく)しいけれど心の冷(つめ)たい人でした。
お后は不(ふ)思(し)議(ぎ)な鏡(かがみ)を持っていて、こう囁(ささや)きます。「鏡よ鏡。この世(よ)で一(いち)番(ばん)美しいのは誰?」すると、鏡が答えます。「それはあなた。お后よ。」
さて、白雪姫はとても美しい娘に育ちました。ある日、お后がいつものように鏡に聞くと、鏡は、「白雪姫が一番綺(き)麗(れい)よ。」と答えたのです。
お后は、一人の狩人(かりゅうど)を呼んで、命(めい)令(れい)しました。「白雪姫を殺(ころ)しなさい。」
狩人は白雪姫を森に連(つ)れて行(い)きました。でも、どうしても美しい姫を殺すことができません。「森の奥に逃げなさい」狩人はそういうと、お后には、「殺しました。」と、嘘(うそ)の報(ほう)告(こく)をしました。
白雪姫は、森の奥で、小さい家を見つけました。七人の小(こ)人(びと)の家です。小人たちは、白雪姫がかわいそうだと思い、一緒(いっしょ)に暮(く)らそうと言ってくれました。
さて、お后は、また鏡に向かって聞きました。鏡は、「七人の小人の家にいる、白雪姫が一番綺麗。」と答えたのです。「あの狩人め、騙(だま)したな!」お后は怒(ど)鳴(な)りました。
そこで、お后は毒(どく)リンゴをつくると、粗(そ)末(まつ)な身(み)なりをして、小人たちの家に行きました。
そして、白雪姫をうまく騙して、毒リンゴを食べさせてしまったのです。白雪姫は、毒リンゴを一(ひと)口(くち)食べると、ばたりと倒(たお)れました。
日が暮れると、小人たちが戻(もど)ってきました。見ると、白雪姫が死んでいます。「なんと、かわいそうに。」小人たちはそう言って、泣きながら白雪姫をガラスの棺(ひつぎ)に入れて山の上に置きました。
そこへ、道に迷(まよ)った王(おう)子(じ)がやってきました。そして、白雪姫を見ると、「この美しい人がほしい。」と、言いました。小人たちが頷(うなず)くと、家(け)来(らい)たちが白雪姫を城(しろ)に運んでいきました。途中(とちゅう)、家来が木の根(ね)っこに躓(つまず)いて、棺(ひつぎ)ががくんと揺(ゆ)れました。そのとたん、白雪姫の口から毒リンゴが飛(と)び出(だ)して、白雪姫は生(い)き返(かえ)ったのです。
やがて、王子と姫は結(けっ)婚(こん)して、いつまでも幸(しあわ)せに暮(く)らしました。
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