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第一页:日语原文
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【日语原文】
プロローグ(序)
もしもあの日君に出会っていなければ こんなに苦しくて
こんなに悲しくて
こんなに切なくて
こんなに涙が溢れるような想いはしなかったと思う。
けれど君に出会っていなければ
こんなに嬉しくて
こんなに優しくて
こんなに愛しくて
こんなに温かくて
こんなに幸せ気持ちを知ることもできなかったよ…。
涙こらえて私は今日も空を見上げる。
空を見上げる。
第一章 笑顔
「あ~!!超お腹減ったしっ」 待ちに待った昼休み。
美嘉はいつものように 机の上でお弁当を開く
学校は面倒。
だけど同じクラスで仲良くなったアヤとユカと 一緒にお弁当を食べるのが唯一の楽しみな のだ。
━田原美嘉━
今年の 4 月高校に入学したばかりの高校一 年生。
入学してからまだ 三ヶ月足らず。
仲良しで気の合う友達も出来て結構楽しく 過ごしていた。
チビだし バカだし
特別かわいいってわけでもないし 特技なんてないし 将来の夢なんてあるわけもない。
高校に入ってすぐに染めた明るい茶色のス トレート髪。
ほんのりと淡いメイクがまだあまり馴染ん でいない今日この頃。
中学校から平凡な生活を送ってきた。 普通に友達もいた。
普通に恋もした。
付き合った人数は三人。 多いのか少ないかなんてわからない。
だけど共通してるのは
どれも短期間で終わりを告げているという こと。
本当の恋なんて知らない
知ってるのは遊びの恋 ただ一つだけ。
恋なんて しなくてもいい。
そんな中… 君に出会った。
このまま平凡に終わるはずだった美嘉の人 生は、君に出会ったことによって変わって いく…。
いつものように 美嘉とアヤとユカの三人は もくもくとお弁当を食べていた。
食事の時って無言になるのはなぜだろう。 その時教室のドアがガラガラと音をたてて
開き、
それと同時にポケットに手を入れた一人の 男が三人のもとへと
近づいて来た。
その男は三人の前に立ち止まり、 軽い口調で話し始める。
「こんちわ~!俺の名前はノゾム。隣のクラ スなんだけど~知ってる?」
目を合わせる三人 しかしそのまま知らんぷりをして
お弁当を食べ続ける。
高校に入学してからノゾムの噂をたくさん聞 いた。
女ったらし。
手が早い。 遊び人。
ノゾムは毎日のように違う女を連れて 校内を歩いている。
“ノゾムに気をつけろ!”
“ノゾムに狙われた女は逃げられない” そんな話を聞いたこともあったっけ…。
高めの身長に 整った顔。
メッシュが入って ワックスで無造作にセットされている髪。
何かを見透かすようにじっとみつめる瞳。
モテる要素を持っているのは確かだ。 問題は性格。
この軽い性格はどうにかならないものか…。
そこまで悪い噂を聞いていながら関わるつ もりなどもちろんない。
三人はノゾムの存在に気付かないフリをしな がら、弁当を食べ続ける。
「あれ~無視?俺と友達になってよ番号 交換しようぜ!」
あまりのしつこさに喉が渇き、
イライラしながら近くにある麦茶を手に取 りごくんと一口飲み込む美嘉。
「えぇ~どうしよ。まぁいいよ!交換しよ」
沈黙の中、 突然言葉を発したのはアヤだ。
美嘉とユカはギョッとした顔で目を合わせ た。
アヤが笑顔でノゾムと 番号交換をしている。 信じ難い光景…。
ノゾムが満足げに教室から出て行くのを確認 し、
アヤに問いただした。
「なんであんな軽そうな男に番号教える の??痛い目見るよ?!」
そんな美嘉の心配をよそにあっさりと答え るアヤ。
「だってあたしイケメン大好きだからぁ!ウフ ッ」
アヤは大人っぽくて綺麗な女の子。
スタイルがよくロングで少しウェーブがか った赤茶色の髪が特徴。
男運が悪く付き合う男は軽い感じの男ばか り…。
だから彼氏が出来ても、付き合ってすぐ別 れての繰り返し。
「アヤ、あんな男に本気になっちゃダメだ よ。」
真面目な顔で心配するユカに対し アヤは軽い返事をした。
「大丈夫だってぇ」 学校が終わり、
家に帰って部屋でごろごろしながらテレビ を見ていた。
その時…
(音乐)
部屋に鳴り響く着信音。 しかも登録してない
知らない番号から…。
誰だろう?? 相手を探るよう出る。
『もしもし…??』
『…』
…無言。
『もしも~し??』 少し強気で言ってみる。
ガチャッ プープープー
切られてしまった。 いたずら電話?
間違い電話かな。
(音乐)
再び鳴り響く着信音。 さっきと同じ番号だ。
どうせまた無言だと思い どうでもいいような声で電話に出た。
『もしもぉぉぉし』
『…し?もしもーし…』 電話の向こうから微かに聞こえる
聞き慣れない男の声。
『へっ?誰??』 電話の向こうの相手は
鼓膜が破れてしまうくらいの大声で答え た。
『…美嘉ちゃん?悪ぃ電波悪くて!ノゾムだけ ど!わかる?今日の昼休み話かけた奴!』
ゲッッ!ノゾム? ノゾムってあの女ったらしのノゾム?
今日アヤと連絡先交換してた…あのノゾムさ ん?
頭の中はパニック状態。 返す言葉が
見つからない。
いっそのこと電話を 切ってしまおうか…。
電話を切ってしまおうとボタンに指を近づ けた時
ノゾムは再び話し始めた。
『突然電話したら驚くよな~ごめん。アヤち ゃんから番号教えてもらった。友達なっ て!』
なるほど。 アヤが勝手に教えたんだ。…って納得してる場 合じゃなくて!!
明日アヤへの軽い復讐を決意しながら 冷静を装って答えた。
『…で何か用??』
『だーかーらー俺と友達になってよ!ねっ。 お願~い』
軽い…軽すぎる。 軽い男は苦手。
『…いいよーじゃあね』 仕方なく友達になることを承諾して
電話を切った
そうしないと電話を切ってくれないような 気がしたから。
ノゾムの番号を登録… 一応しておくか。
ジリリルリ 不快な目覚ましの音で目が覚め、
今日もまたいつも通り学校へ向かう。
玄関で上靴に履き変えていた時 アヤの姿を見つけた。
興奮気味に アヤのもとへ駆け寄る。
「アヤのバカぁ!!勝手に番号教えちゃダメで しょっ。昨日ノゾムから電話来たんだから!!」
「ごめ~んだってノゾムが美嘉の番号教え ろってうるさいんだもん。なんかおごるか ら許して」
何事もなかったようなアヤの横顔を見つめな がら
深くため息をついた。
初めて電話で話した日以来、
ノゾムからは毎日のように電話やメールが来 る。
当時はまだ
“携帯電話”を持ってる人が少なく ほとんどの人が
“PHS”を使っていた。
“PHS”には
P メールと P メール DX という機能がある
P メールとはカタカナを 15 字前後送ること が出来る機能で、
P メール DX とは今の携帯電話のように長い メールを送ることが出来る機能だ。
重要な内容ではない限り P メール DX は使 わない。
ほとんどは P メールを使用していた。
ノゾムからのメールは いつも同じ内容。
《ゲンキ?》
《イマナニシテル?》
決まってこの二通。 次第に返事をするのが面倒になり、
返事をしなくなってしまったうえに 電話にも出なくなった。
ノゾムは隣のクラス。 廊下でばったり会う事もあるけど… とにかく避け続けた。
ノゾムはの事が 嫌いなわけじゃない。
ただ面倒くさがりの美嘉にとって ノゾムの連絡が重かったりもする。
そしてノゾムを狙っていたアヤが美嘉の事を、
“親友の男を平気でとる女“ だと陰口を言っているという噂を
聞いてしまったから。
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