▼明治から昭和初めの法学者で東大などの教授だった岡田朝太郎は、岡田三面子(さんめんし)の名で川柳を詠んでいた。いつの時代の学舎(まなびや)にも不心得者はいたようで、こんな一句を残している。〈良心の唇青しカンニング〉。説明不要のストレートパンチである
从明治时代到昭和初叶的法学家并任东京大学等校教授的冈田朝太郎曾以冈田三面子的笔名发表过川柳诗。无论什么时代的学府里都会有一些行为不轨者,有一首川柳诗就是描写的这种情况,<良心受责唇发青,考场作弊颤惊惊>。不用解释谁都能明白,这是一种严重过错。
▼京都大学の入試問題の一部が試験中にインターネットに流れた件は、偽計業務妨害にあたる可能性もあるという。そうなれば犯罪だ。不心得者は顔を青くしていようか。刑法学の権威で執行猶予制度を創案したという三面子も、さぞ天上で嘆いているに違いない
京都大学入学考试试卷的一部分,在考试过程中流失到了互联网。据说这起事件很有可能适用以虚假行为妨碍他人业务的(刑法)条款,如果真是如此这就构成了犯罪,行为不轨者又何止是脸色发青啊。刑法学的权威,创立了缓期执行制度的三面子也一定会在天国为之而叹息不已。
▼まじめに勉強してきた者が、「いま一歩」のために道を誤ったとは思いづらい。愉快犯か、「あわよくば」のバクチ型受験か。いずれにせよ、やることの卑小と及ぼす影響の大きさのアンバランスが、ネット時代を象徴する
认认真真学到现在的学生,因为“眼前一步”的失误而走上了一条错误的道路,这样的事真是想也不敢想。这难道是愉悦性犯罪?还是“心怀侥幸”的博弈型应试方式?不管怎么说,肇事者的卑微渺小和造成影响之巨大,这之间的不平衡正是网络时代的象征。
▼同志社や立教、早稲田でも同様の不正が見つかっている。まんまと合格したのだろうか。だが他人はだませても、自分をごまかす狡(ずる)さにたけた若者などそうはいまい。心に負い目を宿しての大学生活が、充実するとも思えない
在同志社大学、立教大学以及早稻田大学也发现了同样的作弊行为。你以为这么做就能算是无懈可击地合格了吗?尽管能够欺骗他人,但是绝不会有擅长耍小聪明糊弄自己的年轻人。精神上承载着负疚感的大学生活也不可能是充实的。
▼カンニング捜査で思い出すが、かの名探偵シャーロック・ホームズにも、試験問題を盗み見た「犯人」を捜す一話があった。快刀乱麻を断つ推理で謎を解きつつ、根はまじめな学生の前途を思い人情味あふれる解決をもたらす
因为追查作弊事件而想起了一个故事,那位赫赫有名的大侦探夏洛克•福尔摩斯(Sherlock Holmes)也曾追踪过一个偷看考卷的“犯人”。在以快刀斩乱麻的推理解开谜团的同时,考虑到本质很好的学生之前途,最终带来的是充满人情味的结果。
▼ホームズは諭す。「一度は低いところへ君は落ちた。将来どんな高いところへ君が昇るか、楽しみにしていよう」(阿部知二訳)。同じ言葉をかけるに値する人物なら、自ら名乗り出るはずである。
福尔摩斯说:“你曾经一度跌落到低谷,将来不知道你又会登上什么样的高峰,我们期待着这一天”(阿部知二译)。如果是一个值得对他说同样一番话人,那么他就应该勇敢地说出自己的名字。
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