立春から数えて二百十日、二百二十日は農の厄日とされる。実りかけた稲穂を、野を分かつ暴風がまま襲うためだ。「二百十二日」に四国に上陸した台風12号は、古人が恨む「野分き」の典型だろう。大型のままゆっくり北上し、影響は列島の端々に及んだ。
立春开始数第二百二十天,这一天被认为是农业的灾难日。因为肆虐的暴风时不时会袭击挂穗的稻谷。在“第二百十二天”登陆四国的台风12号,就是古人痛恨的“大风”的典型。保持大型的势头慢悠悠地悲伤,影响遍及全岛。
飛ばされたトタン屋根や、岸壁を越す波の映像に、風力でも潮力でも、憎らしいエネルギーを善用できないものかと思った。我ながら、ひと夏で節電意識が染み付いた。
看到被吹飞的铁皮屋顶和冲上码头的浪潮的画面,我想无论是风力还是潮汐,能否把令人憎恶的能量加以善用呢?即便是我,也在这个夏日带上了节电意识。
東日本の電力使用制限令は、すでに被災地で解かれ、東京も前倒しで終わる。今年は過去4番目の暑さながら、全国の使用電力のピークは、記録的冷夏だった1993年に次ぐ低水準にとどまった。節電の効果である。企業にも家庭にも、それだけ削りしろがあった。
东日本的电力使用限制令在灾区已经被解除了,东京也以提前而告终。虽然今年夏天是有史以来排名第四炎热,但是全国使用电力高峰,仅次于1993年破纪录的凉夏,处于一个较低水平。这就是省电的效果。无论是家庭还是企业,这一点都是削减用电的基础。
電力需要の最盛期、全国54の原発のうち39は止まっていた。結果的には、原発なしで間に合った計算になる。節電で賄えるなら物騒なものを動かさなくても、というのが人情だろう。
在需要电力的最高峰,全国54座核电站中的39座停止了运转。结果计算下来,没有核电站电力也够用。如果能维持节电,不要运行危险的核电站就好了,这也是人之常情吧。
電力需給を皆が真剣に考えた「気づきの夏」。植田和弘・京都大教授(環境経済学)の総括だ。「雑巾は絞り切ったと産業界が言うのは大間違いで、省エネの余地は大きかった。必要に迫られれば、いくらでも手段が出てくる」と。
今年大家都认真考虑过电力供给的“发现之夏”。这是京都大学教授(环境经济学)植田和弘的总结。“产业界所说的拧紧抹布打错特错,节约能量的余地很大。如果有情势所迫,那么什么手段都用得出来”。
12号の鈍足は、太平洋と大陸の、つまり夏と秋の高気圧に挟まれたのが一因らしい。この野分き、季節を分ける嵐でもあろう。もろもろが一新された折である。節電の習いまで洗い流してはいけないが、一過の空は秋色と願いたい。
第十二号台风慢腾腾,被太平洋和大陆,也就是夏秋高压夹在当中是其原因之日。这大风也是划分季节的暴风雨。这一切都是让季节更替的时机。决不能连节电的习惯都冲走,希望台风走后步入秋季。