「ドングリ」と聞くと冒険家の植村直己さんを思い出す。大学山岳部時代についたあだ名は体格や風貌(ふうぼう)に似合っていた。しかし情熱と行動力は並外れていた。のちに五大陸の最高峰をきわめ、極地を駆け、没後に国民栄誉賞を受けた。
听到“橡树果子”一词便会想起了冒险家植村直己先生。在大学登山部时起的外号和他的体格以及风貌极其相似。但是,他的热情和行动力卓越不凡。在他的一生中,登上了五大陆的最高峰,也去过极地,在他逝世后获得了国民荣誉奖。
そんな、ただ者でないドングリがいるのかどうか。きのうの東京本社版「かたえくぼ」が、〈『大豊作』/どんぐり/――民主代表選〉と寸鉄で刺していた。その背比(せいくら)べに、大粒のクリが割って入った図といえよう。前原前外相が代表選への出馬を決めた。
是不是还有这么一粒不平凡的橡树果子呢?昨天本报的东京版“单笑靥”刊登了“《大丰收》/橡树果/——民主党代表选举”,一举击中要害。目前的形势正是在相互较量之中,大颗的栗子加入其中。前外相前原诚司决意出马代表选举。
外国人献金問題や次の本格政権狙いなど、火種や思惑含みでここまで不出馬の意向だった。だが「B級グルメ」は失礼にしても、他の顔ぶれはやはり「二列目」の感がある。クリへの好悪はおいて、エース級の参戦で緊張感は高まろう。
由于外国人捐款问题以及瞄准下一轮真正的政权等问题,以及考虑到导火索和有所顾虑,所以在这之前他都决定不出马。虽然称其为“B级美食家”略显失礼,但是他的面容总让人感觉他是“候补”。先把对橡果的好恶放在一边,由于顶级人物的参加,紧张感骤然提升。
これまで菅首相の後任は、次への中継ぎと目されていた。だが国民の誰が、民主党にそんな余裕があると見ていよう。崖っぷちだし、来年秋への打算や思惑が、今日に懸命な被災地に希望をもたらすはずもない。
菅直人首相的后任被认为是下一任之前的过渡。但是,哪个国民看到了在民主党中有这样的余地呢?已然是火烧眉毛,着眼于明年秋天的盘算和念头,不能给现在处于危机时刻的灾区以希望。
それにつけてもだが、首相レースは内向き過ぎないか。まず口に出るのは小沢氏の処分への対応だ。すり寄り、詣(もう)で、変節の話にうんざりする。だが、原発はどうする?増税は?――大事なことはよく聞こえてこない。
即便如此,选举首相是不是有点太内部决定吗?首先提出的是对小泽的处分的回应。找靠山、拜访、变节之类的话语让人烦不胜烦。但是,如何处置核电站呢?增税呢?——听不到这些重要事情的讨论。
ドングリにせよクリにせよ、首相は国民のための首相であって、小沢さんのために選ぶのではない。〈言うだろう菅さんの方がよかったと〉。川柳欄の予感が当たらないよう願いたい。
无论是橡果还是栗子,首相只有为国为民才是首相。并非是为了小泽而选举。“会不会有人说呢?还是菅直人好点”。希望川柳栏的预言不中。